〈 02 〉 ページ27
＊02＊
真っ暗な空間の中で、
降谷さんの大きな身体に、
私の身体が見事に収まっている。
お互い微動だにしなかった。
「帰り、今日も遅くなってすまない。」
「いえ…」
「髪が濡れているじゃないか。」
「そりゃ…さっきまでお風呂だったので…」
暗闇で繰り広げられるのは至って普通の会話。
「取り敢えず、ブレーカーを上げようか」
「は、はい」
真上から降谷さんの声が降ってきた。
降谷さんってこんなに背が高いんだ…。
普段はあまりそんな風に感じないのに。
「えっと、A…このままではちょっと歩けないかな。」
「……あ、」
どうでも良い感想を抱いてないで、さっさと離れろ…って言う。
「ごめんなさい」
「暗いから、気をつけるんだぞ。」
「はい…」
自分に呆れつつも、何も見えない中で降谷さんから離れた。
「スマホは確か…」
灯りを灯すために、降谷さんはスマホを取り出した。
「よし、これを懐中電灯に」
「わ…！！」
刹那、唐突に向けられた照明の眩しさに私は身体ごと驚いた。
反射的に顔を背けた瞬間、身体のバランスを崩してしまった。
「A！？」
その一連は、ほんの一瞬の出来事だった。
「「＿＿＿＿＿＿！！」」
何かが、今…
パチッ
ブレーカーを上げるまでもなく、
停電は治まった。
「……」
「……」
廊下の電気が付いた瞬間、
自分達が今どういう体勢でいるのかを知った。
「……怪我はないか？」
「いえ…ありがとうございます…」
どういう体勢か…
シンプルに言うと、【お姫様だっこ】というもの…
「……！」
目の前に…
しかもこんな近くに、降谷さんの顔が…！
「A…」
「…！？」
私のよくわからない心の動揺とは反対に、
降谷さんの顔は、よく見る呆れた表情に。
「夏とはいえ…またそんな格好で…」
「へ…？」
そう言われて思い出した。
自分の今の、格好を…
「あっ…」
薄手のキャミソール１枚は百歩譲って良いとして、
下は、下着オンリーだった……。
「〜〜！」
また、よくわからない動揺が走る。
「ごめんなさいぃ！！」←逃
その姿を、降谷さんには見られたくなかった。
「恥じらい……か？」
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juno108(プロフ) - とっても面白いです!続きがすごく気になります！ (2020年5月20日 13時) (
レス) id: 73960369a7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 70b86fd223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴこ | 作成日時：2019年1月13日 2時
