Red Camellia

嘘か幻か2(2018) ページ21

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外からAを見ていてわかったことがある









それは、メンバー以外のJr.とは、明らかにある程度の距離をとっているということ
















愛想が悪いわけではないし、むしろ良い









でも、決して自分の心の扉を開くことはなく、意図的にバリアをはっている









自分があのときした決断に、今更マイナスの感情をのせるつもりはない









俺は、今の環境で、精一杯やっている









でも、1度も後悔しなかったかと言われれば









そんなこともなかったり、する









俺が初めて、自分の意思をメンバーに伝えたあの日









予想はしていたけど、それ以上にいろんな感情をぶつけてくるメンバーのなかで









Aは、最初から最後までなにも言わなかった









声を荒げるみんなと、なにも言えず俯きひたすら謝る俺を、真顔でずっと見ていただけだった









結局、俺がグループを捨てたあの日まで、Aが俺にその話を持ちかけてくることはなかった









びっくりするぐらいに、いつも通りだった









その後、初めて別のグループとしてAに会ったとき









どことなく違和感を感じた









俺がグループを抜けたということ以外に、特に変わったことはない









雰囲気だっていつも通りだし、挨拶をすれば普通に返してくれる









でも、何かが違う









最近、Aの素の顔を見てないな、と思っていた









いつもどことなく堅さがあって、気を緩める瞬間がないように見えた









でも、そうではなかった









Aが素の顔をしなくなったのではなく







Aが俺に「素顔」を見せることがなくなった









Aのなかで、俺は既に、「他のグループの人」という存在になっていた









俺も、バリアを張られる側の人間になっていたんだ









そのことに気がついたとき








俺はどうしようもなく切なくて、苦しくて、









泣きたくなった









そして初めて








自分がしたことを、後悔した









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