FILE.324 黒鉄の魚影 ページ49
イルミネーションデートから少し経ったある日、捜査一課に設置されているテレビでは、先日起きた侵入事件について報道されていた。
<先日、ドイツ・フランクフルトにある”ユーロポール・防犯カメラ・ネットワークセンター”に何者かが侵入しました。侵入者を目撃したユーロポールの職員が射殺され――――――>
「物騒な世の中だな」
報告書をまとめていると、ニュースを見ていた松田がポロッと呟く。
『ホントね。だから白鳥くんと管理官が急遽行くことになったんでしょ』
トントンと書類を揃えながら言うと、「どこに」と言われて『え』と声が漏れる。
『今朝の話、聞いてなかったの?』
「眠すぎてそれどころじゃなかったわ」
相変わらずマイペースな松田にため息をついて『いい?』と説明する。
『今日、そのセンターと回線を繋いで本格始動するのが、八丈島近海に建設された世界中の防犯カメラを繋ぐための施設・”パシフィック・ブイ”。そこに2人が行ってるのよ。何たってそこは、インターポールの施設なんだから』
「あー・・・・そんなこと言ってたかもしれねェ」
『言って・ま・し・た!』
も〜・・・と口を尖らすと、<続いてはパシフィック・ブイ特集です>とテレビから聞こえてきた。
<世界中の警察が持つ防犯カメラを繋いだ世界初の施設、それが”パシフィック・ブイ”です>
<防犯カメラの画像を元に、世界中で”顔認証”が可能とか?>
<ええ。その開発者である彼女も、パシフィック・ブイの一員として参加します―――>
『―――っていうことよ』
「へ〜」
ホントにわかってるのかな・・・と呆れると、「そういや、管理官って最近変わったよな」と尋ねてくる。
『うん。黒田管理官にね。確か前は・・・・長野県警の捜査一課長だったはず』
「でも、結構急じゃなかったか?」
『そうかもね・・・けど、上が何を考えているかなんて、わたし達にはわかんないから』
「それもそうだな」
何て話しながら仕事に戻ると、「何だとォ!?」と目暮警部の声が響き渡った。
『なーんかイヤな予感・・・・』
「・・・同じく」
気付かれないうちに移動しようとした時、「2人ともいいかね」と目暮警部が近付いてきた。
こ、これは・・・逃げられない・・・かも・・・・
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます!更新がんばります! (2月7日 21時) (レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、!!これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい!!応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年1月17日 0時