FILE.280 業火の向日葵 ページ5
「ところで、<ひまわり>を隠していたあの絵は、最初からホテルに飾ってあったものなのか?」
「いや、元々何も飾られてなかったようだ」
松田が答えると、毛利さんは怪訝そうにチャーリー警部を見た。
「何でそんなことが気になんだ?」
「<ひまわり>を隠すにしては、大きすぎたような気がしてな。あそこまでのサイズの違う絵を用意する必要があったのか・・・・」
「考えすぎだよ。そんなの偶然に決まってんだろ」
「手元にはあの絵しかなかったんじゃねーのか?」
毛利さんと中森警部は口を揃えて否定する。
「だったらいいんだが、アンタ達の言うキッド像からすると、無駄なことが多すぎるように思ったものでな」
「無駄なことといえば・・・・5枚目の<ひまわり>が盗まれた時、地下金庫の防犯システムがハッキングされていたようだ」
「無駄というより計画を変更しただけだろ?」
「確かあの時は・・・・偽物にすり替えられた可能性があるってんで、急遽鑑定することになったんだよな。作業が思いのほか時間が掛かっちまって、キッドは犯行予告の時間を守るため、予定を繰り上げるしかなかったってワケだ。ホントは地下金庫で盗む計画だったんだから、システムのハッキングを行うことに何ら疑問はねェよ」
何の疑問も持たない毛利さんと中森警部に、松田はため息をついた。
「ホントにそう思ってんのか?アンタ宛てに送られてきた予告状には、今夜って書いてあったろうが。決して予定を繰り上げて強引に盗み出す必要はないはずだろ?」
「た、確かに・・・・・」
「じゃあ、一体何故・・・・」
中森警部が口籠ってると、鈴木相談役が立ち上がった。
「まあ何にせよ、我々はキッドとの対決に勝ち、無事<ひまわり>を取り戻したんじゃ!皆よう頑張ってくれた。これからも頼むぞ!!」
ハーハッハッハッ・・・と高笑いする鈴木相談役の声が会議室に響き渡った。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます!更新がんばります! (2月7日 21時) (レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、!!これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい!!応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年1月17日 0時