FILE.303 業火の向日葵 ページ28
No side
「「「黒羽刑事〜〜〜！！松田刑事〜〜〜！！」」」
崩れ落ちた美術館を見上げながら、こども達は涙を浮かべて2人の名前を叫ぶ。
「何してんだよ！」
「お願いだから出てきてください！」
「出てきてーーーー！！」
コナンや蘭、園子達も張りつめた表情で見上げる一方、木陰に身を潜めているキッドも同じく見上げていた。
そして、2人の名前を叫び続けていた歩美は、ついに大声で泣き出した。
「歩美ちゃん・・・だ、大丈夫ですよ！2人ならきっと・・・・」
「ううう・・・・死ぬなぁ〜！！」
この場にいる全員が、2人が出てくることを祈った。
―――その頃
湖の底が突然球状に沈下したかと思うと、大きな爆発が起こり土砂が噴き出した。巻き上がる土砂の中から、ケースに入った”芦屋のひまわり”が飛び出す。そのケースには、Aと松田が掴まっていて、ぐんぐんと浮上していく。
『(もう少し・・・もう少しなんだけど・・・・・)』
息を止めて必死に堪えていたAだったが、ついに限界がきてしまった。ゴボッと息を吐き出すと、手がケースから離れてゆっくりと沈んでいった。
「あ！何か出てきたぞ！！」
美術館を見上げていたコナン達は、突然湖面が盛り上がったことに気付いた。水飛沫を上げながら湖面に現れたのは、”芦屋のひまわり”だった。
「＜ひまわり＞だ！！」
「おおっ！無事じゃったか〜〜！！」
「あの＜ひまわり＞、黒羽刑事と松田刑事と一緒にケースに入れたんだ！だから2人も近くにいるはず！！」
「皆、2人を捜して！！」
「黒羽刑事〜！！」
「松田刑事〜！！」
「どこだ〜〜〜〜！！」
コナンと蘭の声を聞いたこども達は湖に駆け寄り、必死に名前を呼んだ。
松田side
突然ケースが軽くなったことに驚き目を開けると、横にいたはずのAがいなかった。下を見ると、Aは手足をだらんとさせてゆっくりと沈んでいっている。
A・・・！？
ケースから手を離し、水をかき分けてAの元へと辿り着く。肩を掴むも、Aは目を閉じたままだった。
気ィ失ってんのかよ・・・・
鼻をつまんで口から息を吹き込むも、力なく開いたAの口から空気が漏れていく。
クッソ・・・・！！
そして、再び口に息を吹き込む。唇を離してAを見ると、口からゴホッと息が吐き出された。やがてうっすらと目が開いていく。
俺はAの手を握ると、ゆっくりと浮上していった。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
