FILE.302 業火の向日葵 ページ27
「いくら言っても直んねーし、身体張るようなことばかりするし」
『うっ・・・・』
グサグサと胸に突き刺さる。
全部ホントのことだしわかっているけど、やっぱり人から言われるとくるものがあるな・・・と思っていると、「・・・・でもそれが、Aのいいところでもあるんだよな」と言われた。
『・・・えっ』
「だってそうだろ？人のために行動するって、やろうとしても中々難しいことだぜ？ま、Aの場合、それがデフォルトなんだけどな」
『松田・・・・』
「そんなAに付き合えるヤツなんて、早々にいねーだろ？」
褒められているのかけなされているのかわからなかったが、思わずクスッと笑ってしまった。
『そうだね・・・こんな私に付き合える人ってなかなかいないよ。でも、その人も大分変わった人だけどね』
「あ”？」
『何怒ってんの？別に松田のことだとは、一言も言ってないけど』
「・・・そーかよ」
『なんてね、嘘だよ。付き合ってくれてありがとね』と言うと、何も言い返してこなかった。振り返ると、ライトに照らされている耳がほんのり赤くなっているのが見えた。
すると、天井から水が降ってきてダクトスペースが揺れ始めた。壁面から水が噴き出して、大量の水が流れ込んでくる。
崩れた壁面が瓦礫の山のようになっていき、ダクトスペースにどんどん水が流れ込んできて、水位が上がっていく。
『どうしよう・・・このままじゃ、脱出どころか1分もしないで溺死・・・』
「この瓦礫を何とか出来りゃいいんだが・・・・」
『瓦礫か・・・ボールを射出すればどけられるかもしれないけど、水没を防ぐことには―――』
「そうか！水没か！」
『え？』
何かを閃いたのか、松田は天井のあちこちから流れ込む水を見つめた。
「これだけの水が流れ込むってことは、ここはすでに湖の水位より下にあるんだよ。ってことは、あのボールで崩落の順序を狂わせれば、圧力のバランスが崩れて一気に湖に押し流されるはずだ」
『なるほどね・・・迷ってる時間はないみたい。せーので行くよ』
「ああ」
『・・・・せーのっ！』
水中に潜ってベルトのスイッチを押すと、ボールが出てきた。膨らんでいくボールを後ろに押しのけ、＜ひまわり＞の脱出用エレベーターのレールから外れた”芦屋のひまわり”とともに待っている松田の元まで泳ぎ進む。
そしてボールが爆発すると、激しい水流が一気に押し寄せ、”芦屋のひまわり”とともに流されていった。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
