FILE.299 業火の向日葵 ページ24
『・・・キッド、コナンくんだけなら一緒に飛べる！？』
「な、何言って――――」
『飛べるの！？飛べないの！？』
恐らく私は今、切羽詰まった顔をしているのだろう。キッドの顔が一瞬怯んだのがわかった。
「・・・・恐らく飛べる。だが、この落石を避けながら、気圧の下がった空間を飛び続けられるかは、定かじゃねェ」
キッドが見上げるのと同時に、また鍾乳石が崩れ落ちた。
『時間がない。キッド、コナンくんをお願い』
「だけど・・・黒羽刑事と松田刑事は？」
『わたし達は、他に出口を見つけて脱出する。だから、コナンくんだけでも先に助けて』
「んな無茶な！！」
『無茶だってことくらいわかってる！！！！』
3人がハッと息をのんだのがわかった。
『一人でも多く助けたいの。もう二度と・・・・・・・後悔したくない』
そう、あの日のように・・・・・もう二度と、大切な人を失いたくない。
――――――――
―――8年前
『兄・・さん・・・・・？』
兄さんが出演するマジックショーを舞台袖で観ていた時、突然爆発が起きて兄さんが炎に包まれる瞬間を目撃してしまった。
『兄さん！！』
観客が慌てて駆け出していく中、舞台袖から飛び出してステージに近付く。炎はあっという間に燃え広がり、私のすぐ近くまで迫ってきていた。
「危険です！A様！離れてください！！」
『いやっ！離して！！あの中に兄さんがいるの！！』
目の前で燃え盛る炎に飛び込む勢いで近付こうとするも、寺井さんに腕を引っ張られて止められる。
『兄さん・・・・！兄さ―――ん！！！』
燃え盛る炎を見つめながら叫ぶ、私の悲痛な叫び声が会場にこだました。
――――――――
『これしか方法がないの・・・・・お願い、キッド』
「・・・・わかった。ただ・・・必ず生きて戻れ」
『うん・・・・』
キッドの言葉に頷くと「黒羽刑事」と呼ばれた。
「コレ、持ってってよ」
『これは・・・・・』
渡されたのは、ボールが出るベルトとライトが付いている腕時計だった。
「もしもの時に使って？」
『うん。ありが――――』
お礼を言おうと瞬間、鍾乳洞の天井が崩れ出して、瓦礫がチューブ通路に当たった。そしてついに床が粉々に吹っ飛び、鍾乳洞に放り出された。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
