FILE.298 業火の向日葵 ページ23
『あなたの言動には何の真実味もないわ』
＜えっ・・・！？＞
『5枚目の＜ひまわり＞は、シカゴ美術館とゴッホ美術館の論文で本物と証明されている。ゴッホとゴーギャンは、同じ布を2人で分けて絵を描いていた。それが何よりの証拠よ！鑑定士のあなたなら、間違いなく知ってるはずでしょ』
＜で、でも・・・・＞
『それに、死んだ方がマシだと言っておきながら、飛行機の爆発を着陸直前にしたり、今回の火災も自分が逃げ出せる場所と時間を計算して発火させた』
＜そ、それは・・・・＞
『ホントに死を覚悟した計画なら、何故レイクロックに残ってキッドの消火を妨害しなかったの！？あなたは所詮、自分に都合のいいようにしか考えることしか出来ない犯罪者よ！決して学芸員なんかじゃない！！！』
＜あ・・・・あ・・・・・・・＞
宮台さんの喪失するような声の後、＜まさかアンタがな・・・・手を出すんだ＞と言う中森警部の声と手錠をはめる音が聞こえ、通信機を切りふぅ・・・と息をつく。
ゴッホを愛しすぎた彼女は、鑑定の真実より、思い込みで犯罪に手を染めてしまったのか・・・・
「黒羽刑事、かっこよかったよ」
「バシッと決まってたぜ」
『え、あ・・・・そ、そうかな？』
2人にそう言われて照れ臭くなっていると、「どうやら片付いたようだな」とキッドが瓦礫の山を登って戻ってきた。
『ええ・・・そっちはどうだった？登れそう？』
「俺だけならな」
「どうする？助けを呼ぶか？」
「止めといた方がいい。消火に時間がかかったせいで、鍾乳洞内部の気圧が急激に低下してる。下手に救助を呼べば、二次災害になりかねねェ」
チューブ通路の外に広がる鍾乳洞を見上げると、つらら状に垂れ下がった鍾乳石が次々に落ちてきた。鍾乳洞の天井のあちこちから水が流れ、落下した鍾乳石がチューブ通路に激突して、大きく揺れる。
『ねぇ、あとどれくらいもつ！？』
「まだ崩れてねェのが不思議なくらいだ。天井に少しでも穴が開いたら、外気が一気に流れ込み崩壊するぞ！」
一刻の猶予もないのか・・・となると・・・・・
私は、鍾乳洞を見上げるコナンくんとキッドを見つめ、覚悟を決めた。
FILE.299 業火の向日葵→←FILE.297 業火の向日葵
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1725人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
