FILE.296 業火の向日葵 ページ21
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動揺の色を見せる宮台に全員の視線が集まる。
「い、いい加減なこと言わないで!!なぜ私がそんなことを――――」
<わかりました。では一つずつ確かめていきましょう>
<オークション会場で怪盗キッドが暴れ回ったことで、警備体制が厳しくなり、あなたは<ひまわり>に手を出せなくなってしまった。そこでアメリカでの破壊を諦め、日本へ航空輸送をされる際、作業員を買収し、格納庫近くの扉に爆弾を仕掛けさせた。しかし、これもキッドにより妨害され、ターゲットを2枚目から5枚目の<ひまわり>へ変えた>
<そのことにいち早く気付いたキッドは、おっさんに予告状を送り、再び警戒を促した。二度に渡り妨害されたアンタだったが、今度はキッドの先を行くため、輸送用の木箱の蓋の裏に偽のキッドカードを張り付け、自分の工房に貸し出すように仕向けたんだろ?>
「キッドは悪役を買って出て、<ひまわり>を守ったってのか?」
中森警部の言葉に宮台は「嘘よ!」と叫ぶ。
「そんなのあなた達の想像でしかない!!」
「その通りだわ。誰よりもゴッホの<ひまわり>を愛しているなつみが、あんなことするなんて・・・有り得ない!」
「それに何故、2枚だけ破壊する必要があるの?」」
<確かに・・・あの2枚の<ひまわり>だけを破壊する理由はまだわかっていませんが、理由は後程宮台さんから直接聞くとして、本題に入りましょう。宮台さん、レイクロックのチューブ通路に向日葵を飾りたいと言い出したのはあなたでしたよね?>
「え、ええ・・・・」
<あなたは鑑定士という立場を利用して、絵画の修復によく用いられるテレピン油を、最上階から飾られた向日葵の溝に流し込み、導火線として使った・・・・>
「そんなの裏切り者が、私の発言を利用したに過ぎないわ!そんな曖昧なことばかりで、人を犯人扱いしないで!!」
宮台は容疑を振り払うように、大きく手を振りながらそう叫ぶ。
<そうですか・・・本当は自首してもらいたかったんですが、もっと確かな証拠が必要なら、後でお見せしますよ。あなたのパソコンのデータにある、2枚の<ひまわり>を破壊するための計画書をね!>
「・・・・・・・・・どうやらもう、誤魔化しようがないようね」
それまで険しい顔つきだった宮台は、観念したかのようにフッと口の端を持ち上げた。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます!更新がんばります! (2月7日 21時) (レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、!!これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい!!応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年1月17日 0時