FILE.278 業火の向日葵 ページ3
紙幣が目の前に飛んで思わず目をつむる。次に目を開けた時にはキッドの姿はなかった。
「クソォ、逃げられたか・・・・」
キッドがいなくなると、徐々に風は止んでいく。
『お怪我はありませんか？』
「あ、ああ・・・」
床にうずまくる館長に声を掛け、荒れた部屋を見渡す。
床やベットには紙幣やジュラルミンケースが散乱し、ベットのヘッドボードの上に飾られたレオナルド・ダ・ヴィンチの＜最後の晩餐＞がはがれかかっているが、その絵の下にキャンバスのようなものが見えた。
『松田！アレ！ベットの上！』
「ん？」
松田が顔を上げたのと同時に、中森警部が飛び込んできた。
「オメェら〜！！よくも台無しにして――――」
「彼奴は？キッドはどうした！？」
「悪りィな、取り逃しちまった」
「では＜ひまわり＞は・・・・」
「大丈夫。＜ひまわり＞は無事だよ」
コナンくんが＜最後の晩餐＞を指差すと、松田がベットに上がり、はがれかけた絵を勢い良く外す。すると、絵の下から横向き置かれた＜ひまわり＞が現れた。
「おおっ！！」
「＜ひまわり＞じゃねーか！」
「取り戻したのか！？」
「まァな」
『ですがお金は・・・・』
「構わん、構わん。ようやった！今から記者会見じゃ！」
東都プラザホテルの正面玄関前には、大勢の報道陣が集まり、鈴木相談役は記者会見を始めた。中森警部や毛利さんは参加したものの、私と松田とコナンくんは参加せず、ロビーの柱の陰から記者会見の様子を見ていた。
「なーんか腑に落ちねーんだよなァ」
「やっぱり松田刑事もそう思う？」
「ああ。展開が出来過ぎているっていうか・・・・」
「うん。＜ひまわり＞を取り戻したことで、他の所有者達も快く貸し出すことになると思うけど・・・・」
『そもそも、
「それにだ。何で金を出しておけって要求したんだ？あれだけの大金を空中で回収するんなら、更なる大仕掛けが必要だろ？」
「それ以外にも、キッド自身が呼んだマスコミにも何かの意味があるはず。あれじゃあ、自分の負けを公にしただけ。ご丁寧にばら撒いたところに現れるなんて――――」
『まさかワザと？』
「だけど、何のために？」
考えれば考えるほど不可解な事件。結局、結論が出ないまま次の日を迎えることとなった。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
