FILE.294 業火の向日葵 ページ19
キッドの後を続き、『それで?どうやって出るつもりなの?』と尋ねる。
「このままチューブ通路を登って、出口に近い最上階に行く。エレベーターシャフトから上がれるかもしれねェからな」
『ホントはどうする予定だったの?』
「ん?」
『脱出だよ。計算してないはずがないでしょ』
「鍾乳洞の奥に用意しておいた出口まで飛べれりゃあ、すぐに出られるんだが、3人を抱えるのは流石に無理だからな」
『キッド・・・・』
脱出しようと思えば今すぐにでも出来るのに、わたし達を見捨てようとしないキッドに感謝した。
チューブ通路を辿っていくにつれて、床には向日葵や瓦礫が散乱している。その先には、上下左右に伸びた棒で、通路の中央に固定されたアタッシュケースがあった。
「ところで、犯人の計画を知っていたなら何故未然に・・・」
「犯行計画は、犯人のパソコンから盗み取っていたからわかってたんだが、まだ共犯がいる可能性があったし、停電を妨害しようと思ったら、チャーリー警部に見つかって追いかけ回されちまったからな。どっかの誰かさんに謎めいた予告状を送っとけば、もっと早く解決してくれると思ったんだが・・・・」
「悪かったなあ」
「ちょっと待っててくれ。脱出の準備をする」
キッドはアタッシュケースを棒から取ると、床に置いたアタッシュケースから取り出した通信機をコナンくんに投げつけた。
「俺はこの先にある、エレベーターホールから脱出できねーか調べてくる。その間にオメェらは犯人をとっ捕まえといてくれ」
「わかった」
「また下手な小細工されちゃあ面倒だからな!」
ブレザーを掴んで勢いよく脱ぎ捨てると、純白のスーツとマントのいつもの出で立ちに戻る。
「じゃあそっちは任せたぞ!」
瓦礫の山へ走っていくのを見届けると、2人と顔を見合わせて頷いた。
No side
美術館の前に戻って来た次郎吉達は、近くの岩壁に隠された部屋に入る。部屋の中央にはレールが走り、ケースに入れられた<ひまわり>が立て掛けられている。
岸が<ひまわり>の数え始めるも、6枚しかないことに気付き、次郎吉がレールの先にある扉の横のパネルを確認すると、2枚目だけ時間が表示されなかった。
「2枚目の<ひまわり>・・・”芦屋のひまわり”が届いておらん!」
その時、耳に掛けた通信機から<ご安心ください>と聞こえてきたのだった。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます!更新がんばります! (2月7日 21時) (レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、!!これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい!!応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年1月17日 0時