FILE.291 業火の向日葵 ページ16
松田side
ボウズはその辺にあった瓦礫を思い切り蹴った。瓦礫はキッドをかすめて壁に激突し、ギリギリでかわして床に倒れたキッドの頭上の壁が崩れ落ちた。
「どうだ！？」
「イテテテ・・・オメェ、俺を狙ったろ！」
「んなこと言ってる場合かよ！」
言い争ってるコイツらをよそに壁を見上げる。壁は崩れてはいるものの、肝心のポールは外れていない。
「ダメだな」
「クソォ・・・」
「あのジイさん、どんだけ頑丈に造って―――」
『松田！？』
キッドが言いかけた時、背後から俺の名前を呼ぶ声がした。
「A・・・！？」
Aside
『やっぱりここにいた！コナンくんも！松田！私から離れるなとか言っておいて、何自分から離れて――――って、かい・・・じゃない。キッドも何でここに！？』
松田とコナンくんのことだから、＜ひまわり＞の様子を見に行ったという予想はあっていた。警備室から出てくるのが遅かったり、エレベーターは6階から下がってきたから。
だけど、キッドもここにいるとは予想外だった。
瓦礫と炎を避けながら3人に近付くと、＜ひまわり＞と壁に挟まっているポールが目に入った。
『・・・何よコレ』
「見ての通り、コイツが挟まってるせいでシューターに入らねェんだ」
「だから黒羽刑事・・・」
「「力を貸してくれ！/力を貸して！」」
『嘘でしょ・・・』
ところどころ崩れた壁を見ていると、背後で天井が崩れた。炎もじわじわと迫ってくる。
「A、オメェなら出来る」
『・・・わかった。やってみる。皆下がって』
3人が後ろに下がったのを確認し、拳を力強く握り締める。
「行っけええ！」
「A！！」
右の拳を引き、壁が崩れかかっているところに『はあああっ！！』と思い切り突き立てる。そして、身体を捻らせて右足でポールを思い切り蹴り上げた。
すると、壁から引き抜かれたポールが、回転しながら天井に突き刺さり、壁の中に下がった＜ひまわり＞はケースに入れられ、レールを伝って下りていった。
『やったぁ！！』
「よし！後はここから―――」
喜ぶのも束の間、天井に突き刺さったポールが落ちてきて、天井が一気に崩れた。瓦礫が落ちるのと同時に、炎が広がって退路を塞ぐ。
「ヤベェ！通路が・・・！」
「大丈夫だ。下がって」
キッドはわたし達を下がらすと、ポケットから通信機を取り出す。小声だったものの、隣にいた私には「ジイちゃん、聞こえるか？」と耳に届いていた。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
