FILE.277 業火の向日葵 ページ2
予告時間の2分前となり、これ以上お金を出すのは諦めることになった。残りはジュラルミンケースの蓋を開けとくだけにして、客室に館長を残して刑事は全員撤収した。
＜全部署、撤収完了しました！＞
「よーし、いいぞ。各班、こちらからの指示があるまで、その場で待機だ！＞
＜了解！＞
部下に指示する中森警部を一度見ると、再びパソコンの画面を見つめる。
「キッドのことだから必ず何か仕掛けているはず。取引開始までに見つけ出さないと・・・・」
「ああ。絶対に何か・・・・ん？」
『どうしたの？』
「何か・・違和感が・・・・何かがさっきまでと違っているような・・・・」
画面を注意深く見ると、館長が汗を拭き終わり、テーブルに手を置いた姿が目に止まった。手を置いた振動で、テーブルの上にある飲みかけのペットボトルの水面が少し揺れる。
そのペットボトルを見た途端、『「「あっ！」」』とわたし達の声が揃った。
「ヤベェ！」
「そういうことかよ！」
『早く行こう！』
コナンくんに続き、廊下に飛び出す。扉の横のキーボックスの中にある、マスターキーも忘れずに取って。
急いでエレベーターに乗り込み、14階のボタンを押す。
「2人も気付いたかと思うけど、館長さんが飲んでたペットボトルの水位が上がってた。恐らく部屋の気圧が高くなってる」
「だけど、キッドは何をするつもり何だ？」
「わからない。でも一刻も早く部屋の気圧を戻さないと、キッドの思うつぼだよ」
エレベーターを降りて、1412号室へと向かう。松田がドアにマスターキーを差し込み、ドアノブを回すがドアは開かない。
「気圧の差で内側から扉が押されてるんだ！！」
「キッドの狙いはこれか！？」
「いや、扉のロックのためだけに、こんな大掛かりなことをするはずがない。ヤツの狙いは一体・・・・」
ドアに体当たりする松田の背後で、コナンくんは険しい表情をしている。
『松田、そこどいて』
「え？A、まさか・・・・・」
ふう・・・と息を吐いて、右足を後ろに引く。
『はあああぁぁぁぁ！！！』
そして、身体を捻らせて右足を思い切り前に出し、ドアを蹴り破った。
その瞬間、大量の紙幣が一気に流れて来た。
『ぐっっ！』
乱れ飛ぶ紙幣の風に逆らいながら一歩ずつ前へ進んでいくと、窓の向こうにワイヤー銃で上から降りてきたキッドの姿が見えた。
『「「キッド！！！」」』
わたし達が叫ぶと、キッドは不敵な笑みを浮かべた。
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
