捜査一課の黒羽さん 5【名探偵コナン】

FILE.185　天空の難破船 ページ6

飛行船は徐々に明石海峡大橋に近付いてきていて、橋の下すれすれを通ろうとしている。


コナンくんは「あ、ポートタワーが見える！六甲のイカリマークも！すごいすごい！」と後ろを振り返って指差した。


「そうやって気を逸らして、俺の頭を橋桁に引っ掛けようってか。そんな幼稚な手に乗るか！」


藤岡は後ろを振り返り、かかんで橋桁を避ける。その隙にコナンくんはベルトを外し、ハッチの取っ手に結わえてベルトのボタンを押す。その間に私は、ワイヤー銃を飛行船のワイヤーに向かって撃った。


すると、ベルトから出たサッカーボールが大きく膨れて橋桁に引っ掛かった。飛行船は後ろのめりになって大きく傾き、船首の屋根が橋桁にぶつかる。

飛行船は大きく膨れたサッカーボールを橋桁に引っ掛けながらギギギ・・・・と音を立てて進み、垂直尾翼が海面に突っ込む。

そして、巨大に膨れたサッカーボールがベルトから発射されると、その反動で跳ねた飛行船が垂直に上昇する。



ワイヤー銃を使って宙吊りになっていた私は、飛行船を蹴って勢いを加速させると、素早くコナンくんを救出する。



「うわあああああ！！！」

飛行船は垂直に跳ね上がり、藤岡さんは耐えきれず海面に落ちていった――――――。







松田side


突如、飛行船が垂直になり手すりにロープで縛られている俺達は、宙吊り状態になった。



「きゃああああ！！」
「わああああ！！」


全員が悲鳴を上げながら必死で耐える。犯人の仲間2人は立っていたせいか、テーブルや椅子とともに一気に船尾側まで床を滑り落ちていった。







Aside


やがて、自動操縦装置が作動したのか、徐々に飛行船は水平の姿勢へと戻っていく。飛行船が安定すると、わたし達は息をつき、ワイヤーを巻き上げて屋根に立ち上がった。

空を見上げると、ヘリが一台明石海峡大橋の近くを飛んでいた。すると、班長から着信がきた。


『もしもし』

＜A！無事か！？＞

『ええ。ちょうど良かった。海上保安庁に連絡して』

＜海保に連絡？＞

『主犯の藤岡さんが海に落ちたのよ』

＜海に落ちただと！？＞

『うん。それと、橋の傍にヤツらの仲間のクルーザーが停まっているはず。そっちの確保もお願い！』

＜わかったぜ！＞

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