捜査一課の黒羽さん 5【名探偵コナン】

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その後、意識を取り戻した犯人は、署へ連行された。



ウェディングドレスからスーツへ着替え終わり、身だしなみを整えていると、先に着替え終わった松田が控室へと入ってきた。


「いつ気付いたんだよ？新郎が怪しいって」

『一番最初におかしいなって思ったのは、控室に届いたビデオを見た時かな。骨折しているのに、1人でファスナー付きの服に着替えたところが。ホントは指紋を隠すためにわざとギプスをしているんじゃないかって思ってね』

「そういえばそうだったな。空き巣に入られたことも黙ってたし・・・」

『警察に調べられると、自分の指紋が強盗犯の指紋だとバレちゃうからね。でも、新婦が犯人のものもらいを思い出したことも、私に声を掛けてきたあの3人が左手を隠していたことも、新婦達と一緒に招待者をこっそりチェックしていた、コナンくん達のお陰なんだよね。その情報がなかったら、そこまでわからなかったし・・・・・』

「じゃあ、全てわかった上ですり替わったってことかよ」

『そんな危ない男の側に新婦を置けないと思って、頼んだのよ。班長にも協力してもらってね』

「俺を出し抜いてな」


伝えなかったことを根に持っているのか、不貞腐れた顔をする。



『それは悪かったって』

「ったく・・・・・この間言ったこと忘れてんじゃねーだろうな」



この間というのは、恐らく北野天満宮で言われたことだろう。



『忘れてないよ』

「だったらいいけどよ」



控室を出ようとする松田に『ねぇ』と呼びかけると、足を止めて振り返った。



『もし・・・・さ、私が危険な目に遭ったらその時は・・・・守ってね』

「・・・・は」

『確かに私は出来るだけ多くの人を救いたい・・・守りたい。けどさ、松田はそんな私を守りたいんだよね？突っ走って無茶ばかりするこの私を。

ヨロシク頼むよ、王子様』

「なッ・・・・・！？」



そう言うと、松田は顔を赤くした。


『私にとっては王子様みたいなモンよ。守ってやりてェんじゃなかったけ？』


言われたことをニヤニヤしながら言うと、「ああ、そうだよ！！」と若干キレながら返された。



『なんでキレるのよ』

「キレてなんかねーっつうの！」

『いやキレてるし』

「キレてなんかねェ！」

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