捜査一課の黒羽さん 5【名探偵コナン】

FILE.221　本庁の刑事恋物語　偽りのウエディング ページ43

その時、班長が「あ」と声を上げた。

「それと、さっき新郎新婦あてにビデオが届いてよ。何でも2人がハマっている温泉サイトの仲間に頼んでいた、式後のパーティーで流すビデオの編集がやっと終わったらしくてな、本番前に確認して欲しいと言われていたみたいで、俺達も確認したんだが・・・・・・見たいんだろ？」

『う、うん・・・』と正直に言うとハハッと笑われた。


「だと思ってな。持って来てやったぜ。ちなみに撮影者は、編集した人みたいだ。チャットで近所だと知って、リアルでも仲良くなったらしいぜ」と言いながら、班長はビデオをテーブルの上に置くと、再生した。


＜平さんと麗ちゃんのデートな1日。 先月、見事強盗犯を追い払いますます絆を深め、ついに婚約したお2人のラブラブな1日を覗いてみましょう！ ＞


画面には、新郎のマンションの玄関口が映し出された。


＜え、嘘・・・もう来たのかい？ ＞

＜うん！ ＞

＜ちょっと待って。 すぐに仕度するから・・・＞

＜はーい！ ＞


少し経つと、着替え終わった新郎が出てきて、鍵を玄関のライトの上に置いた。


＜今日はトロピカルランドだったよね？ ＞

＜ええ！ ＞

『ん？』

「どうした？」

『あ、いや。鍵をいつもあそこに置いてるのかなって・・・』

「ああ・・・クセらしいぞ」

『それと、ギプスしてるのによく1人でファスナー付きの服に着替えたなって・・・・』

「あー・・・・言われてみればな。班長は気付いたこととかないのか？」

「ビデオの中身じゃねーが、ビデオが入っていた箱を新郎が躊躇なく開けていたことは引っ掛かったな。送り主が書いていない状態でよく開けたとは思ったが・・・・」

「・・・・なーんかソイツ、すげェ怪しいんだが」

『激しく同意。でも何か足りないのよね・・・・』

「ちなみに、強盗犯の声とか覚えてねーのか？」

「目出し帽越しでこもっていたし、特徴のある声じゃなかったら覚えてねーってよ」




その時、班長に目暮警部から連絡があったのか、耳にしているイヤホンを押さえて受け答えをしている。

「わかりました」

「何だって？」

「2人に確認してもらった結果、顔に見覚えがないのは3人いるが、それだけじゃわからんそうだ」

『そっか・・・ちなみにその3人って？』

「オメェらに声を掛けてたあの3人だよ・・・・」

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