FILE.53 絶海の探偵 ページ6
松田side
「どうやって」
「ボク、甲板で井上さんがレーダーの説明していたのを思い出したんだ！”レーダーが探知できる距離は450キロを超え、さらに200を超える目標をいっぺんに対応できる”って！！」
「確かにそれなら・・・・」
「黒羽刑事は電波時計をしてるんだよね！？その時計の発する微弱な電波をレーダーで拾えれば―――」
「イケるかもしれねェってことだな！しかもあの時計は完全防水だ！確か電波の受信時間は午前と午後の5時ジャスト！艦長、時間がねェ！早く！！」
艦長は顔を引き締め大きく頷き「直ちに電波探知装置用意！！午後5時まで残り1分40秒―――行けるな！？」と命令する。
艦長の指示に隊員達は慌ただしく作業を始めた。
「電波探知装置用意よし！」
頼む、間に合ってくれ・・・・・・・！
「ES捜索始め！！」
「現在イチロクゴーキュー、午後5時まで残り10秒！9、8、7、6、5、4、3、2、1―――」
俺はメインモニターを見つめ、グッと表情を締めた。
「ジャスト！！」
静まり返ったCICの中には、レーダー画面から電子音が小さく鳴り響く。
「・・・・反応は？」
「捜索範囲内に反応ありません」
「そんな！どうして・・・・・！」
「もしかしたら電波を受信する腕時計が、すでに海の中に沈んでいるのかもしれません」
呆然とメインモニターを見つめた。
嘘だろ・・そんなこと・・ありえねェ・・・・・・・・・
『・・・・大丈夫だよ。どんなに迷ったって、見つけてくれるでしょ？』
そんな時、頭の中でAの声がした。
それはこの間トロピカルランドに行った時の言葉だった。
『今みたいに声を掛けてくれれば、絶対に松田の元に帰って来るよ、きっと』
そうだ、あの時言ったんだ。
”どこにいたって見つけ出してやる”って。
周りは俯き、涙を流して誰もが諦めかけている絶望的な沈黙の中、俺は大きく息を吸う。
そして――――
「A―――――――！！！！」
Aの名前を叫んだ。
Aside
今、松田の声が・・・・・
うっすらと目を開けると、誰かが手を差し伸べているような気がした。
その人物はだんだんと近付いて来るにつれて輪郭がはっきりしてくる。
松田・・・・・・？
「言ったろ？”どこにいたって見つけ出してやる”って」
やっぱり・・・・・松田には敵わないや・・・・・
そして、電波時計をはめている方の手を伸ばした。
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セカイ(プロフ) - 未零♪mirei♪さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2023年5月1日 23時) (
レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
セカイ(プロフ) - まみこさん» コメントありがとうございます！恋人篇、絶賛更新中ですのでよかったらご覧ください！ (2023年5月1日 23時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
セカイ(プロフ) - エリザベス女王さん» 返信遅れてすみません。コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2023年5月1日 23時) (レス) @page13 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
未零♪mirei♪ - これからも、頑張ってください！ (2023年1月4日 15時) (レス) @page4 id: 1f9aff915a (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 再会編完結おめでとうございます、これからも頑張ってください！ (2022年8月16日 10時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2022年7月21日 0時
