FILE.383 裏切りのホワイトデー ページ8
「さ、策略って・・・・私が毛利さんを利用したとでもおっしゃるの?」
「ええ。実際に利用したのは、私に連れられてここへやって来た娘の蘭。奥さんが自分の手相を見ていて両手がふさがっていたことと、社長が倒れた後動かなかったことを娘が証言すれば・・・・誰よりも私がそれを信じ、容疑者から大きく外れることが出来る。
犯行を私のスピーチ中にしたのも、私を壇上に上げて遠ざけておかなければ、トリックを見破られないからです」
「だ、だから一体何のトリックですの?あの時私に一体何が出来るって・・・・」
「ご主人に声を掛けられたんですよね?”ちゃんときいてる?”と・・・・」
奥さんが「だからアレは・・・・」と再度説明しようとするも、毛利さんに阻まれた。
「浦井社長は、パーティーで手品や寸劇をやるくらい派手好きで、しかも酸っぱいものが大の苦手・・・・奥さんは予めこう持ちかけていたんじゃないんですか?”今度のパーティーで、あなたが酸味ったっぷりの自社の製品であるスパイチョコ・ホワイトを食べたら、皆さん驚くわよ”――――とね・・・・・」
「バカね・・・主人は先日、酸味の効いたケーキを食べて寝込んだばかりですのよ?その主人が、あのチョコを食べられるわけが――――――」
『ミラクルフルーツってご存知ですか?』
「え?」
「ミラクルフルーツ?」
突然口を挟んだ私の発言に、皆はきょとんとした。
『食べると酸味が甘味に変わる、西アフリカ原産の赤い小さな木の実ですよ。味覚器に作用して、一時的に酸味を甘味に変えるミラクリンという糖タンパク質を含む、まさにミラクルな果実。
舌の上で念入りに転がせば、効果は1〜2時間続く・・・だから奥さんは、その実を予め食べさせていた社長さんに尋ねたんですよね?
ミラクルフルーツの効果は・・・”ちゃんとまだ効いてるのか?”ってね・・・・』
FILE.384 裏切りのホワイトデー→←FILE.382 裏切りのホワイトデー
1905人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時