FILE.424 キッドVS高明 狙われた唇 ページ50
「あ、青ノリや！偽物の和葉の歯ァには、青ノリついてへんかったし・・・・」
服部くんにそう言われた和葉ちゃんは、咄嗟に手で口元を隠すと、「蘭ちゃん！やっぱり青ノリやー！」と蘭ちゃんに助けを求めた。
「なあ・・・俺達、結局何を見せられてんだ？」
『ハハハ・・・』
―――その後
宝石の本物の持ち主の女性から、宝石が戻ってきたと連絡があった。恐らく今回も、目当ての宝石じゃなかったんだろうな。宝石を騙しとろうとしてた、あのブローカーは中森警部に預けたし・・・一件落着といえば一件落着かな。
警視庁に戻って少しばかりの仮眠をとり終え、活動再開しようと廊下を歩いていると、前から封筒を携えた諸伏警部が歩いてきた。
『あれ？いらしてたんですね』
「ええ・・本当は先週、ある物を確認するために来たんですが、担当の刑事さんが捜査に出払っていて会えず、今回再び来たというわけです。まあ、再び上京するのを昨日にしたのは、怪盗キッドの件を耳にして助言し、鈴木相談役に呼ばれたからでもありますが」
『そうだったんですか。ご足労いただきありがとうございます』
「いえ。ですが、先週、偶然にも久しぶりに弟と会えたので、それはそれでよかったんですがね」
『・・・弟さんいらっしゃるんですね』
「ええ。警察を辞め、別の仕事に就いたと聞いてから何の音沙汰もなく・・・まさかカフェ店員をしてるとは思いませんでしたが」
『へ、へぇ〜・・・』
やっぱり、諸伏警部はヒロのお兄さんだったか。
「・・・少しお喋りがすぎましたね。では、私はこれで」
『い、いえ。こちらこそ引き留めてしまってすみません。ありがとうございました』
エレベーターに乗った諸伏警部を見送った後、私は捜査一課へと足を向ける。
諸伏警部・・・話には聞いていたけど、頭がキレる人だったな。変装もトリックも、ことごとく見抜いてたし。敵にするには危険な相手かも。
でも、怪盗キッドはそう簡単にやられるヤツじゃないし、捕まえられるワケにはいかない。
正体を知っているのは、私と寺井さん。それと恐らく快斗のお母さん・千影さんだけ。このことは、限られた人物が知っているのでいい。
それに、どんな強力な相手がこようとも、私は今まで通りのことをするだけだ。
そう自分自身に言い聞かせて、捜査一課のドアを開ける。
そんな思いとは裏腹に、それぞれの複雑な想いが交錯する北海道旅行は、すぐそこまで迫っていた――――
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます！これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (
レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年3月10日 14時
