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FILE.422 キッドVS高明 狙われた唇 ページ48

No side


―――約4時間後


宝石があったガラス張りの部屋は、若干うす暗くなっていた。キッドの犯行後、氷を保つためにつけていた冷房が解除され、高さ3メートル近くあった氷は、腰くらいの高さまでに溶けていた。


そんな中、和葉に変装したキッドがやって来た。あの中にコンタクトを落としてしまったから取りに行きたいと、近くの機動隊員に尋ねると、隊員は鑑識が調べ終わった後だから入ってもいいと答えた。


キッドはコンタクトを探すフリをしながら、手袋をはめると、溶けた氷の中に手を突っ込む。そして、中から世界最大級のコンクパール・”妖精の唇(フェアリー・リップ)”を取り出すと、ニヤリと笑った。


その瞬間、背後で投光器が点いた。キッドは明かりが点いた音で「ヒッ」と短い悲鳴を漏らす。投光器の付近には、A達警察はもちろんコナンや服部の姿もあり、キッドは四方を囲まれていた。







Aside


鷙鳥累百(しちょうるいひゃく)一鶚(いちがく)に如かず・・・」

「な、何?」

鷙鳥(しちょう)とはツバメのこと、そして(がく)とは鷹のこと。つまり、ツバメが100羽集まっても、一羽の鷹には及ばないという意味です。

あなたはたくさんの指輪を氷の中に出現させて、我々を攪乱し、氷の中央に大きな横穴を開け、まるで本物の指輪は、盗んだかのように見せかけたかったようですが、私の目は誤魔化せません!偽りの指輪が100個あろうとも、本物のコンクパールの美しさには、到底及びませんからね・・・・」



諸伏警部がキッドに告げると、「なるほど?んじゃ、わかっててこっちの出方をうかがってたのか・・・・」とキッドの声に戻って、諸伏警部に尋ねた。

「ええ。どうせなら、盗むところを現行犯で押さえようかと」

「んじゃ、当然この娘が俺の変装だと気付いていたのね・・・」

「もちろん。一人称が、アタシからウチに変わっていましたし、膝を曲げて背を低く見せておられましたから・・・皆さんもお気付きになってましたよね?」

「あ・・・」

「ああ・・・」

「も・・・」

「もちろんや!」

『・・・え、皆気付いていなかった感じ?』

「・・・マジかよ」




服部くん達にドン引きしていると、キッドは「でも、そこまで読んでたんなら・・・・」と何もない手から煙幕を取り出した。

「本物の指輪は回収しておくべきだったな!」



そして煙幕を床に投げつけると、ガラス張りの中は一面真っ白になった。

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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時

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