FILE.417 キッドVS高明 狙われた唇 ページ43
―――10分後
ドアのロックが解除された瞬間、懐中電灯を手にした中森警部が「二人とも動くなァ!」と叫ぶ。懐中電灯に照らされ、眩しそうに振り向く二人の前には、宝石がある氷の場所に黒い布が被さっていた。
中森警部が布を引っ張るとそこには、氷の中に多くの指輪があった。そして氷の表面には、キッドカードが張り付けられている。
カードには”妖精の唇は頂いた 怪盗キッド”と書かれており、皆が驚く中、私だけが不敵な笑みを浮かべていた。
「な、何やコレ!?指輪がいっぱい氷の中に!?」
「一体どうやって・・・・」
「ホンマにマジックやな・・・・」
皆が呆気に取られていると、宝石の持ち主が「ま、待ってください・・・・」と声を震わせた。
「ちゅ、中央に長い横穴が開いていて・・・指輪が無くなってる!?」
「クソッ!!やっぱり、氷なんかじゃ守れなかったんだよ!!」
「しかし何なんだ?この無数の指輪は・・・・」
『フローラルアイスパフォーマンスよ』
「フローラルアイスパフォーマンスゥ?」
松田が復唱すると、「電気ドリルで氷の内側を彫り、食用色素などで着色し、まるで氷の中に本物の花が存在しているかのように見せるアート・・・」と諸伏警部が説明をした。
『それをキッドは指輪でやったのよ。たった10分間・・・想像を絶する早業でね』
「しかし、この室内は真っ暗だったはずなのに・・・一体どうやって?」
「中にいたオメェらは見てねェのか?」
「ああ!ジイさんの言う通り、真っ暗やったからなァ」
その時、「シートの内側に潜ってたんじゃない?」とコナンくんが口を挟んできた。
「氷にかかってた透明なシートも墨で真っ黒になったんなら、シートの内側に潜り込んで、明かりをつけたら彫れるでしょ?それに、氷の傍に電気ドリルや着色スプレー、ライトがあるから間違いないよ!」
「なるほど。それやったら、こっそり彫れるなァ・・・・」
「せやね。明かりが漏れへんから、ウチらには気付かれへんし・・・」
すると、中森警部が「猿芝居はそこまでだ」と二人に近寄った。
「この部屋に入ったのはオメェらだけ。二人の内のどちらかがキッドだってことは、わかってんだよ!!身ぐるみ剥いで徹底的に調べてやるから、覚悟しろ!!」
・・・・え、嘘でしょ?
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時