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FILE.416 キッドVS高明 狙われた唇 ページ42

宝石のところへと戻り少しの間待っていると、「平次ー!」と声がした。もらった服に着替えてきた和葉ちゃんが「どや!」とポーズをとると、「かわいー!!」と蘭ちゃんがリアクションする。

「どや、平次!ウチにホレ直したんとちゃう?」

「あ、ああ・・・まあ。―――ってアホか!!元々ホレてへんわ、ボケ!!」



意地悪そうな顔をする和葉ちゃんに、思わず頭を抱える。

やっぱりそうきたか・・・・・予想通りではあるけれど。
でも、和葉ちゃんはそんな顔はしないわよ。多分・・・・










日が暮れて閉館となり、予告時間が近付いてきた頃、和葉ちゃんがガラスの中に携帯を置き忘れたと、服部くんと言いに来た。

「まだ予告の時間まで10分もあるし・・・・チャッチャッと取ってくるさかい」

「仕方ねェな・・・・時間がないんだ、早く済ませろよ!」

「ヘイヘイ」




中森警部の許しをもらった二人は、部屋の中へと入っていく。


「だけど、今の今までよく気付かなかったなァ・・・・」

『偶然、触ってなかったんじゃない?』


松田に当たり障りのない返事をしていると、突然「うわっ!?」という服部くんの声とともに、何かが弾けるような音が部屋の中から聞こえてくる。見ると、部屋の中は白い煙で充満していた。


「オ、オイ!?」

「な、何じゃ?これは?」



すると、いきなり手が中から伸びてきて、非常ボタンを押した。その瞬間、部屋の扉が閉まる。


「何ィ!?オイ?どうなってんだ!?オイ!!」と中森警部が扉を叩くと、部屋の中が今度は真っ黒になった。


「どうやら煙玉が弾けて、墨のような液が噴霧されたようですね」

「クソッ!」

「これじゃあ中の様子が見えぬわい!!」



次第に何かを削るような音がしてきた。この音は・・・・


「ドリルのようだな」

「まさか氷に穴を開けて、盗む気か!?」

「鼠に投ずるに、器を忌む・・・」

「「え?」」

「鼠を退治したくて物を投げつけたいのに、そばの器物を壊すのを恐れて投げられないように・・・・キッドは指輪を盗みたくも盗めないはず。この音はハッタリです!扉が開くのを待ちましょう」



皆が神妙な顔つきで諸伏警部の言葉に賛同する中、松田は「ホントにそうなのか・・・?」と言いながら、訝し気に部屋を見つめている。
そう、松田は知っているからだ。怪盗キッドは、一筋縄ではいかないということを・・・・

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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時

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