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FILE.407 ページ33

『千速さんに言われたのはホントだよ?きっと千速さんは面白半分で言ったんだろーけど、せっかくならつけてみようかなぁ〜って。最近はファッションで指輪してる人もいるみたいだし。まあ、世間一般には婚約指輪(エンゲージリング)って思われてしまうかもだけど・・・・』

「・・・・じゃあ何でいきなりしだしたんだよ」

『え?』

「今までそういうのしてこなかったクセに」

『それは・・・・・』




青信号に変わり車を発進させる。夜の街並みを走行しながら松田を盗み見ると、目が合った。慌てて前を向くも「で?どうして?」と訊ねてくる。


『そ、それは・・・・・』

「それは?」

『・・・・・旅行、だよ』

「・・・旅行?」

『ホラ、行くって約束したでしょ?北海道旅行』

「あ、ああ・・・」


八丈島に事件の捜査で訪れた時、旅行に行こうと提案していた。
まさか忘れてるなんてこと、ないよね・・・?


『旅行までもうすぐだし、何より旅行先で事件なんて起きたらたまったもんじゃないし。だから、つけたのよ。魔よけ代わりにね』

「・・・・そういうことかよ」

『そういうことよ。蘭ちゃん達にはああ言ったけどね。まあ、そのせいで虫の意味を訂正されそうになったけど・・・・』



松田を見ると、どこか安心したような表情をしていた。


『何?もしかして、私が別の人からもらったものだと思ってたの?』

「・・・・・その可能性も無きにしも非ずだったし」

『バカね!んなワケないでしょ!』

「だったらそうと言えよ!朝っぱらから妙にテンション高かったし、鼻歌歌ってたし・・・・もしかしたらそうかもしれねェって思っちまうだろーが!!」

『何でキレてんのよ?』



なんて言いながらも、妙によそよそしかった松田がいつもと変わらない感じになって、少し安心していた。まさか気にしているとは思ってなかったけど・・・・

ってことは、朝、やらたらといろんな人に見られたり、コソコソ話しされてたのも、きっとコレのせいか・・・・・



『やっぱり、普段と違うことするものじゃないか』

「あ?」

『だって、陣平と同じように勘違いしてる人、結構いそうだったし。外したほうがいいかもなって』

「・・・・しとけよ」

『え?』

「そのまましとけよ。んで、アイツらには勘違いさせとけばいい」

『させとけばいいって・・・・』

「俺にとっては虫だろーが」

『・・・・そうだね』



少し照れながら言う松田に微笑みながら、夜の街を走り抜けた。

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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時

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