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『千速さんに言われたのはホントだよ?きっと千速さんは面白半分で言ったんだろーけど、せっかくならつけてみようかなぁ〜って。最近はファッションで指輪してる人もいるみたいだし。まあ、世間一般には
「・・・・じゃあ何でいきなりしだしたんだよ」
『え?』
「今までそういうのしてこなかったクセに」
『それは・・・・・』
青信号に変わり車を発進させる。夜の街並みを走行しながら松田を盗み見ると、目が合った。慌てて前を向くも「で?どうして?」と訊ねてくる。
『そ、それは・・・・・』
「それは?」
『・・・・・旅行、だよ』
「・・・旅行?」
『ホラ、行くって約束したでしょ?北海道旅行』
「あ、ああ・・・」
八丈島に事件の捜査で訪れた時、旅行に行こうと提案していた。
まさか忘れてるなんてこと、ないよね・・・?
『旅行までもうすぐだし、何より旅行先で事件なんて起きたらたまったもんじゃないし。だから、つけたのよ。魔よけ代わりにね』
「・・・・そういうことかよ」
『そういうことよ。蘭ちゃん達にはああ言ったけどね。まあ、そのせいで虫の意味を訂正されそうになったけど・・・・』
松田を見ると、どこか安心したような表情をしていた。
『何?もしかして、私が別の人からもらったものだと思ってたの?』
「・・・・・その可能性も無きにしも非ずだったし」
『バカね!んなワケないでしょ!』
「だったらそうと言えよ!朝っぱらから妙にテンション高かったし、鼻歌歌ってたし・・・・もしかしたらそうかもしれねェって思っちまうだろーが!!」
『何でキレてんのよ?』
なんて言いながらも、妙によそよそしかった松田がいつもと変わらない感じになって、少し安心していた。まさか気にしているとは思ってなかったけど・・・・
ってことは、朝、やらたらといろんな人に見られたり、コソコソ話しされてたのも、きっとコレのせいか・・・・・
『やっぱり、普段と違うことするものじゃないか』
「あ?」
『だって、陣平と同じように勘違いしてる人、結構いそうだったし。外したほうがいいかもなって』
「・・・・しとけよ」
『え?』
「そのまましとけよ。んで、アイツらには勘違いさせとけばいい」
『させとけばいいって・・・・』
「俺にとっては虫だろーが」
『・・・・そうだね』
少し照れながら言う松田に微笑みながら、夜の街を走り抜けた。
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時