検索窓
今日:496 hit、昨日:857 hit、合計:83,773 hit

FILE.406 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ32

『で?ずーっと気になってたんだけどさァ』

「何が?」

『何がじゃなくて、私と綱渡りって何?どういうこと?』



事件を解決し、毛利一家を探偵事務所に送り届けている道中、さっきコナンくんが言っていたことを松田に尋ねた。


「あ、ああ・・・それはだな・・・・・・」


珍しく歯切れの悪い松田を訝しんでいると、「指輪です!!」と代わりに蘭ちゃんが答えた。

「どうして指輪してるのかって、松田刑事は言っているんですよ!!」

『え?』


松田を見ると、あからさまに視線を逸らされる。
どうやらホントのようだけど、何でそれが綱渡りになるのかわからなかった。

まあ、別に何でもいいけどさ・・・




私は指輪をはめている左手を上げて、皆に見せるようにしながら『ああ・・・』と呟く。

『魔よけのこと?』

「「ま、魔よけ・・・!?」」

「って・・・どういうことですか?」

『シルバーにターコイズ・・・これを左手にしてると、悪い虫も寄って来なくなって一石二鳥って千速さんが言ってたから、実際にしてみたのよ』

「「は、はあ・・・・・」」

『私、虫嫌いだし』

「あ、いやぁ・・・千速さんが言った虫はその虫じゃなくて・・・・・」

『ん?』





聞き返したのとほぼ同時に探偵事務所に到着した。
話の続きでもするのかなと思ったが、3人は早々に車を降りていく。


「黒羽刑事、松田刑事。ありがとうございました」

『どういたしまして』

「それと・・・・」

『何?』

「お幸せに!」

『「え」』


蘭ちゃんは少し頬を染めながら言うと、ドアを閉めた。意味深な発言に頭を捻らせつつ、再び車を発進させる。





蘭ちゃんの言葉も気になるけど、最初にアレを聞いておかないといけない。


頬杖をついている松田に『あのさァ』と声を掛ける。

『もしかして、今日、一日中私のことを見てたのってそういうこと?』

「・・・あ?」

『気付いてないとでも思った?ずーっと見てたよね?私のこと!』



信号待ちをしながら松田を見ると、すぐさま視線を逸らされる。
図星か・・・・・

FILE.407→←FILE.406 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1905人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。