FILE.406 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ32
『で?ずーっと気になってたんだけどさァ』
「何が?」
『何がじゃなくて、私と綱渡りって何?どういうこと?』
事件を解決し、毛利一家を探偵事務所に送り届けている道中、さっきコナンくんが言っていたことを松田に尋ねた。
「あ、ああ・・・それはだな・・・・・・」
珍しく歯切れの悪い松田を訝しんでいると、「指輪です!!」と代わりに蘭ちゃんが答えた。
「どうして指輪してるのかって、松田刑事は言っているんですよ!!」
『え?』
松田を見ると、あからさまに視線を逸らされる。
どうやらホントのようだけど、何でそれが綱渡りになるのかわからなかった。
まあ、別に何でもいいけどさ・・・
私は指輪をはめている左手を上げて、皆に見せるようにしながら『ああ・・・』と呟く。
『魔よけのこと?』
「「ま、魔よけ・・・!?」」
「って・・・どういうことですか?」
『シルバーにターコイズ・・・これを左手にしてると、悪い虫も寄って来なくなって一石二鳥って千速さんが言ってたから、実際にしてみたのよ』
「「は、はあ・・・・・」」
『私、虫嫌いだし』
「あ、いやぁ・・・千速さんが言った虫はその虫じゃなくて・・・・・」
『ん?』
聞き返したのとほぼ同時に探偵事務所に到着した。
話の続きでもするのかなと思ったが、3人は早々に車を降りていく。
「黒羽刑事、松田刑事。ありがとうございました」
『どういたしまして』
「それと・・・・」
『何?』
「お幸せに!」
『「え」』
蘭ちゃんは少し頬を染めながら言うと、ドアを閉めた。意味深な発言に頭を捻らせつつ、再び車を発進させる。
蘭ちゃんの言葉も気になるけど、最初にアレを聞いておかないといけない。
頬杖をついている松田に『あのさァ』と声を掛ける。
『もしかして、今日、一日中私のことを見てたのってそういうこと?』
「・・・あ?」
『気付いてないとでも思った?ずーっと見てたよね?私のこと!』
信号待ちをしながら松田を見ると、すぐさま視線を逸らされる。
図星か・・・・・
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時