FILE.404 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ29
松田を訝し気に見ていると、毛利さんが再び「そうか!あるじゃねェか!!」と声を上げた。
「指輪に引っ掛からず、すぐに回収出来る細長いモノがよォ!それは編集の穴吹さんが持っている、金製のメジャーだよ」
『・・・・はい?』
「じゃあ、指輪をメジャーに通したってことなの?」
「いや、指輪にメジャーの先を引っ掛けたんだよ。そして、そのメジャーを鍵の穴に通して換気窓の外から、諸口さんの掌に運んだんだ。綱渡りのようにな!」
自信満々に答える毛利さんに深いため意をついたのは、どうやら私だけではなかった。
「だとしたら、そのメジャーを鍵の穴に通したのはいつやったんだよ」
「そりゃあもちろん、諸口さんを毒殺した直後だよ!前もってメジャーに鍵を通しておき、メジャーの先を指輪に引っ掛けて換気窓まで伸ばし、窓の縁にメジャーの本体を鍵ごと引っ掛けておけば、犯行後、換気窓から本体を持ち上げるだけで、メジャーを伝って鍵を諸口さんの掌まで運べるってワケだ!当然回収はボタン一つで出来るしな!!」
「だーかーらァ、部屋を出る前にメジャーに鍵を通したら、出る時ドアに鍵を掛けられねェってつってんだよ!」
「あ、そっか・・・・」
「伸ばしたのが、犯行後に鍵を掛けて部屋を出て、外から換気窓のところに行った後からだとしても、1メートル以上になったら折れて棒のように扱えくなり、掌どころからベッドの上にすら乗せられねェ。だいたい、指輪に引っ掛けるだけなら、指輪を外す必要はねェだろーが」
「た、確かに・・・・そうだな」
松田にコテンパンに論破された毛利さんに、もはや苦笑することしかできない。
何故かわからないが、今回は眠りの小五郎をする素振りは見せないから、もう私が代わりに解いてしまおうかな。
・・・・・これ以上、頓珍漢推理を披露されても時間が勿体ないからね。
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時