FILE.401 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ26
松田side
鑑識の報告を聞いていると、背後から「あのー・・・松田刑事?」と空手の姉ちゃんに話しかけられた。
「こ、こんな時に不謹慎ですけど、どうしても言いたくて・・・・」とかろうじて聞き取れるくらいの声量で、目を泳がせている。
「・・・・何だよ」
「ご婚約おめでとうございます!!」
「・・・・・はあ?」
上擦った声で頬を赤らめながら言うその態度に、素っ頓狂な声が出た。何を勘違いしてるのか、フフッと笑うと「だってホラ!」とAを指差す。
「黒羽刑事が左手の薬指にしてるあの指輪って
「・・・・・みてェだな」
「みたいだなって・・・松田刑事が贈ったんじゃないんですか!?」
「ああ・・・・どっかの誰かだよ」
眉を上げてAの指輪を見ながら呟くと、「もっと頼りがいがあるイケメンに乗り換えたってか?」とおっさんが割って入ってきた。
「お、お父さん!!」
「・・・・かもな」
「かもなって・・・・ちゃんと確かめればいいじゃないですか!!」
「それが出来たら苦労しねェけど、答えがなんか怖ェし・・・・・ホント、綱渡りって感じだな」
っていうか、何でコイツらにこんなこと話してんだ?俺。
「もう綱から落ちちまってんじゃねーのか?」
「・・・かもなァ」
「ちょっとちょっと!しっかりしてくださいよ!!」
しかも何か励まされてるし。俺達こんな仲だったっけか?
なんて思っていると、『腑に落ちないわね・・・・』とAが呟いた。
そうだ、今は捜査中だった。
ひとまず、指輪のことは置いておこう。ひとまずは・・・・・
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時