FILE.399 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ24
なんだか今日はすっごい視線を感じるけど、一体何なのよ。松田の様子も可笑しいし・・・・・
背後から突き刺すような視線に気付きつつも、鑑識に連絡しこちらに来るよう伝えた。その後、3人に『じゃあ・・・・』と声を掛ける。
『とりあえず、鑑識さんを待ってる間に訊かせてもらいましょうか。諸口さんの遺体を発見する前、どこで何をしていたのかを』
そう言うと、3人は難しい表情をして口をつぐむ。『まず、出島さんから』と指名すると、「ぼ、僕は・・・」と恐る恐る口を開いた。
「自分の部屋でテープレコーダーを直していました。何か調子が悪くて、中でテープがワカメになったり、巻き戻す時に・・・・」
出島さんはそう言いながら、テープレコーダーを取り出して再生した。テープレコーダーからはキュイーンと擦れるような変な音がする。
「た、確かに・・・音がするな」
『次、垂水さんは?』
「俺も撮影のセッティングを済ませた後、部屋にこもって別の仕事のネガの整理をしてたっスよ。この輪ゴムで留めてね!」
垂水さんの手首には、いくつか輪ゴムが巻かれている。
『わかりました。では最後に穴吹さん』
「私も部屋で別の作家のゲラのチェックをしていました」
「なるほどな・・・・・ってか、アンタらテープレコーダーだの、ネガだのアナログなモンを使ってんだな」
「ええ・・・今は大概デジタル録音ですけど、どーもテープが回っているのを安心できない性分でして・・・・デジタルはエラーも怖いですから」
「俺もそうですよ!仲間のカメラマンは皆デジタルカメラなんスけど、どうにも昔から使い慣れたアナログが手放せなくて・・・・すぐに仕上がりを確認出来ないのが痛いっスけどね」
「へーえ」
その時、「そーいえばおばさん、金製のメジャー持ってたよね?アレっていつも持ち歩いてるの?」とコナンくんが口を挟んできた。
「え、ええ。測ってくれって先生によく言われるから。文字の大きさとか・・・」
「でも、文字を測るなら定規でもいいんじゃないの?」
「あのなァ、ボウズ。文字だけじゃなく、いろいろなモノを測らされていたんだよ」
「トリックに使えそうな扉とか窓とかね・・・・」
「詳しいんだな」
松田がそう呟くと、「亡くなった秋場によく聞かされていたんスよ」と垂水さんは答える。
「彼とわたし達3人は、同期入社ですから・・・」
「僕は途中で辞めて、フリーのライターになりましたけどね」
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時