FILE.393 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ18
松田side
「ホントにあの指輪、松田のじゃねェのか?」
「ああ・・・買ったことも見たこともねェよ」
「・・・・まさかとは思うがよォ、他に―――――」
「あ”?」
「い、いや何でもねェ・・・」
班長が言おうとしてることは、何となくわかる。どーせ、他のヤツが出来たとか・・・・そういったところだろう。
―――――――
「そのままだとそのうち愛想つかされて、他の男の所に行っちゃうんじゃない?」
―――――――
以前、諸々が言っていたことがふと頭を遮った。
・・・・・そ、そんなワケねェよな?
ただ、一度遮った言葉はそんな簡単に消えなかった。それに、何故あんなに機嫌がいいのかも気になるし・・・・・
「じゃあ一体誰が・・・・」
「・・・・・さァな」
野郎どもはそれぞれ集まって予想合戦を繰り広げる。ってことは、さっきのもAについて話してたんだろーな。Aを狙ってるヤツ結構いるって、班長が言ってた時あったし。
予想合戦がヒートアップして、だんだん声が大きくなっていく。その時、『ちょっと?』とAの声がした。俺と班長には聞こえていたものの、他のヤツらには聞こえていないみたいで、話し続けている。
『ちょっと静かにして!!』
Aの咎める声に全員が口をつぐんだ。Aが笑顔で『してくれます?』と言うと、「は、はい・・・・」と全員が口を揃える。そういえばAのヤツ、電話してたっけ・・・・
『もしもし?ああ・・・ゴメンね?それで?・・・・・・うん』
神妙な顔つきになっていくAを見ていると、『ええッ!?』と驚いた。
『人が・・・・人が死んでる?』
Aが目暮の方を向くと目暮は電話をしながら、GOサインを出した。それに答えるようにAは頷く。
『わかったわ、蘭ちゃん。すぐ、そっちに向かうわね』
Aは電話を終えると走り出しながら、俺を呼んだ。
『奥多摩の別荘で事件、行くよ!』
「あ、ああ・・・・」
部屋を飛び出してAの後ろを走る。
―――っつっても・・・・
腕を振って走るAの指にはめられた指輪が、電気に反射して光る。
こっちはこっちで・・・・大事件だっつーの!!
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時