検索窓
今日:634 hit、昨日:857 hit、合計:83,911 hit

FILE.393 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指 ページ18

松田side


「ホントにあの指輪、松田のじゃねェのか?」

「ああ・・・買ったことも見たこともねェよ」

「・・・・まさかとは思うがよォ、他に―――――」

「あ”?」

「い、いや何でもねェ・・・」


班長が言おうとしてることは、何となくわかる。どーせ、他のヤツが出来たとか・・・・そういったところだろう。





―――――――


「そのままだとそのうち愛想つかされて、他の男の所に行っちゃうんじゃない?」


―――――――


以前、諸々が言っていたことがふと頭を遮った。

・・・・・そ、そんなワケねェよな?




ただ、一度遮った言葉はそんな簡単に消えなかった。それに、何故あんなに機嫌がいいのかも気になるし・・・・・





「じゃあ一体誰が・・・・」

「・・・・・さァな」




野郎どもはそれぞれ集まって予想合戦を繰り広げる。ってことは、さっきのもAについて話してたんだろーな。Aを狙ってるヤツ結構いるって、班長が言ってた時あったし。




予想合戦がヒートアップして、だんだん声が大きくなっていく。その時、『ちょっと?』とAの声がした。俺と班長には聞こえていたものの、他のヤツらには聞こえていないみたいで、話し続けている。


『ちょっと静かにして!!』


Aの咎める声に全員が口をつぐんだ。Aが笑顔で『してくれます?』と言うと、「は、はい・・・・」と全員が口を揃える。そういえばAのヤツ、電話してたっけ・・・・



『もしもし?ああ・・・ゴメンね?それで?・・・・・・うん』


神妙な顔つきになっていくAを見ていると、『ええッ!?』と驚いた。

『人が・・・・人が死んでる?』



Aが目暮の方を向くと目暮は電話をしながら、GOサインを出した。それに答えるようにAは頷く。


『わかったわ、蘭ちゃん。すぐ、そっちに向かうわね』



Aは電話を終えると走り出しながら、俺を呼んだ。



『奥多摩の別荘で事件、行くよ!』

「あ、ああ・・・・」



部屋を飛び出してAの後ろを走る。


―――っつっても・・・・




腕を振って走るAの指にはめられた指輪が、電気に反射して光る。





こっちはこっちで・・・・大事件だっつーの!!

FILE.394 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指→←FILE.392 本庁の刑事恋物語8 左手の薬指



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1905人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。