FILE.387 裏切りのホワイトデー ページ12
「いやー毛利さん!相変わらずの名推理!さすがですね!」
奥さんに手錠を掛け、連行されていく様子を見届けた後、車を停めてある場所へ向かう道中、千葉くんがそんなことを言いだした。
「まさか、わざと煙草を飛ばしたなんて思わなかったよ!」
「ま、まあな!」
毛利さんは明るく言うが、腑に落ちないような表情をする。
そりゃ、そうだ。偶然飛ばした煙草が解決の糸口になって、自分が寝てる間に事件は解決してるし、煙草はわざと飛ばしたことになっているのだから。
でも、それがきっかけで謎が解けたようなものだし、まあいいか。
「まあ、今日はホワイトデーだし、白黒つけてやったって感じかねェ!」
ホラ、本人もこう言ってるし。自分が寝てる間に解決した事件なんてザラにありそうだし、いちいち気にしてないのかも。
なんて思っていると、突然後ろから<酔わずにいられるわけねぇっつーんだよ!!このタコ助!!>と怒号が聞こえた。
『ん?』
「何だ?」
一斉に足を止めて振り返ると、目暮警部が少し離れたところで誰かと電話をしているようだった。さっきの怒号は・・・・電話の相手か。
「・・・・・まぁ、わしからの気持ちだ!受け取ってくれ!あ、それと・・・・今日は昼も夜も食べてないから、ご馳走をよろしく頼むぞ!」
なるほど・・・・相手は目暮警部の奥さんといったところか。
目暮警部が電話をしている様子を見ていると、横で毛利さんが「あ、蘭・・・・」と言いながら、懐をゴソゴソと探り出した。
「俺はこの後事情聴取に付き合わされるだろーから、2人にでも車で送ってもらえ!」
「うん・・・」
「そのついでにだなァ・・・・英理んトコに寄って、コレ置いてけ!」
毛利さんが取り出したのは、包装紙でラッピングされている小さな箱だった。
「ウソ!ホワイトデーのプレゼント?」
「か、勘違いするなよ!これはヨーコちゃんに渡しそびれたビスケットがもったいねェから・・・・」
「はいはい!」
詳しくは知らないけど、英理さんの名字の妃って恐らく旧姓だし、毛利さんの言葉から察するに、別居中か何かだとは思うけど・・・・・結局、毛利夫妻もラブラブってことね。
嬉しそうに受け取る蘭ちゃんと照れ隠ししている毛利さんを見て、フッと笑った。
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セカイ(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます!これからの恋愛模様もお楽しみください✨ (3月22日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - とても面白かったです✨更新楽しみに待ってます😆 (3月21日 8時) (レス) id: 3095a46f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年3月10日 14時