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FILE.335 黒鉄の魚影 ページ10

―――翌朝


ホテルのロビーでは、園子ちゃんがこども達に帰る支度をするよう伝えていた。誘拐事件が起きた以上、ここにいるのは危険と判断したからだ。実際さらわれたことを知っているのは、コナンくんと蘭ちゃん、園子ちゃん、毛利さん、阿笠さんの5人だけ。こども達への説明では、哀ちゃんは風邪を引いて病院へ行ったということにしてもらった。



ホテルの玄関前で待機していた私は、毛利さんにコナンくんと一緒に来るよう声を掛けた。2人が向かってくると、「ゴメン、ちょっと待って。すぐ終わらせる」とコナンくんは引き返していった。

少し経つと、コナンくんは私と松田に向かって走ってきた。


「2人に電話だって」

『わたし達に?』


コナンくんから携帯を受け取ると画面には”安室さん”と表示されている。少し離れた場所に移動してからスピーカーボタンをタップする。


『もしもし?』

<ホテルで少女がさらわれたらしいな>

「何でそれを知ってんだ?まさか・・・・公安の仕事か?」

松田の発言に降谷はフッと笑った。


<そんなところだ。きみ達が対峙したあの2人組とスナイパーと関わりがあってね。さっきコナンくんにも伝えたんだが、少女は潜水艦にいる。それに夕方にはヤツらの仲間が空から合流する。つまりその時――――>

『潜水艦は浮上せざるを得ない』

<そうだ。助けるならそこしかない>

『なるほどね・・・・でも、わたし達に出来ることは何も――――――』


そこでハッとした。直接は出来なくても間接的に出来ることがあるじゃないか。



『ねぇ・・・・そこに降谷もいるの?』

<いや、僕はいないが・・・・>

「アイツはいるんだな?」

<・・・・ああ>

『わかった。教えてくれてありがとう』


通話を切ると、自分の携帯を取り出してある人物にメッセージを送った。















No side


フードを被った人物は着信音がして携帯を取り出すと、画面には”新着メッセージがあります”と表示されていた。

メッセージを開くとこう書かれていた。


”少女と女性が何者かにさらわれた。潜水艦にいる可能性が高い。もし、潜水艦にいるのであれば、力を貸して”


メッセージに目を通したその人物はフッと笑って”了解”と返信すると、サングラスをかけハットを被っている男が近付いてきた。


「何してる。早く来い、スコッチ」


スコッチと呼ばれた男は「今行くよ」と男に伝え、携帯をしまうと、その男について行った。

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時

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