FILE.332 黒鉄の魚影 ページ7
『だといいけど・・・・フランクフルトの侵入事件の直後に起きてるし、しかもパシフィック・ブイがヨーロッパと繋がる今日起きたのよ？偶然すぎない？』
「確かにそうかもしれねーが・・・・」
『それにスナイパーの存在。ただの誘拐ならスナイパーなんて必要ないでしょ？』
「ま、まあ・・・・」
『絶対にこの事件には何か裏がある気がするの。戻ってきたら訊いてみようと思う』
「それ本気か？」
『本気だよ』
真っ直ぐ松田を見つめ返すと、はぁと息をつかれた。
「わあったよ。気になるんなら訊いてみりゃーいいじゃねェか。だけど、一つ約束しろよ」
『ん？』
「もしホントにAの言う通りだったとしたら、俺達は得体の知れないヤツらと対峙する可能性があるかもしれねェってことだ。それはアイツの身体を小さくした・・・・例の”組織”かもしれねェ。くれぐれも油断するなよ」
『・・・・・わかった』
哀ちゃんを追っていった2人がホテルに戻ってきた時には、すでに深夜になっていた。ずぶ濡れになって戻ってきたコナンくんの手にはカーディガンが握られていた。一度シャワーを浴びて館内着に着替えてもらってから、その後何があったのかを人気のないロビーで訊くことにした。
『「せ、潜水艦？」』
「うん」と力強くコナンくんは頷いた。
「まさか・・・・」
『阿笠さんも見たんですか？』
「いやぁ、わしは暗くて・・・・」
「潜水艦ねェ・・・・」
『もしそれがホントだとしたら――――』
「ホントだ！俺はホントに潜水艦を見たんだ！！」
声を荒げるコナンくんに阿笠さんが「落ち着くんじゃ」と肩に手を置く。
顔を見合わせると松田は懐から八丈島の地図を取り出し、テーブルに広げた。
「どの辺で見たんだ？」
「・・・・この辺。間違いない」
コナンくんが指差したのは南原千畳岩海岸付近の海だった。
『この近くだと灯台があるわね』
「警察や海保の防犯カメラがあるはずだ。調べてみるとするか」
『それと・・・・コナンくん。君に訊きたいことがあるの。すみませんが阿笠さん、席を外してもらっていいですか？』
「それは構わんが・・・・・」
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年2月3日 19時
