FILE.375 裏切りのホワイトデー ページ50
―――その日の夜
杯戸シティホテルで殺人事件があったと通報が入った。
「・・・・もう何とも思わなくなってきたわ」
杯戸シティホテルに到着して、事件現場へ案内されると松田はそう呟いた。そう思うのも仕方がないだろうな・・・・これは。なんたって、視線の先にはお馴染みの3人の姿があるのだから。
「掛ける言葉ももはやねェよ」
『ハハハ・・・・』
3人はわたし達と目暮警部に気が付くと、駆け寄ってきた。
「どうもどうも警部殿!」
「また君かね・・・・毛利くん」
ホラ、目暮警部だって呆れてるし。なんて思っていると、「えーっと・・・・この間ぶりですね。黒羽刑事、松田刑事」と蘭ちゃんが恐る恐る話しかけてきた。
『この間ぶりね、蘭ちゃん。コナンくんも』
「オメェら、除霊しに行った方がいいぞ」
「「アハハ・・・・」」
そして、2人に何があったのかを訊くことにした。
どうやら、毛利さんがウライ製菓というお菓子メーカーのCMに出演したことがきっかけで、今回のホワイトデーパーティーに招待されたらしい。何でもその会社を創業したのが、3/14らしい。
パーティーでは毎回その会社の社長が面白いことを企画していて、手品や寸劇などいろいろなことをやっているらしい。そんな中、社長の突如苦しみ悶える悲鳴が響いたため、ミステリーの寸劇かと思われたが、実際には殺人事件だったという。
「なるほどなァ・・・・」
『他には何かなかった?』
「あ、手相見てもらってました」
『「手相?」』
「はい、社長の奥さんに・・・お父さんが壇上でスピーチをしている時でした」
「そうしたら、社長が突然苦しみだしたんだよね」
「ふーん・・・・・」
粗方のことを2人から聞いていると、どうやら検視が終わったらしい。わたし達は、遺体の傍にいる目暮警部に詳細を報告する。
『亡くなったのは浦井垂人さん、53歳。浦井製菓の社長で、このパーティーの主催者です』
「検視官から毒殺と聞いたが・・・」
「ああ、青酸化合物による急性ヤクブツ中毒みてェだ」
「じゃあ、社長が倒れた時傍にいたのは、パーティーに招かれた毛利くんに連れて来られた、蘭くんとコナンくんと・・・・・社長の妻であり浦井製菓の副社長でもある浦井星江さんの3人だけだったというのは・・・・・」
目暮警部が星江さんに尋ねると「ええ、本当ですわ」と答えた。
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時