捜査一課の黒羽さん 8【名探偵コナン】 (ページ49)

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FILE.374　裏切りのホワイトデーページ49

ホワイトデー・それは一般的にバレンタインデーにチョコレートなどをもらった男性が、お返しとしてキャンディーやマシュマロなどを女性へ贈る日。

それは警視庁内でもそういうことが行われており・・・・・

「コレ、お返し・・・・」

「わぁ！ありがとう！」

廊下のいたるところでそう言った声が聞こえてくる。警察官でも恋愛には勝てないらしい。
というか、今勤務中ですけど。

捜査一課に入り自分のデスクに着くと、前のデスクにいる班長が資料から顔を上げた。

「今日ホワイトデーだな」

『みたいね。戻ってくる途中でもそういう光景何度か見たよ。ホワイトデーっていえば、返したの？』

持ってきた捜査資料と睨めっこしながらそう尋ねる。

『彼女からもらってないの？バレンタインチョコ・・・・』

「ああ、もらったぜ？それに登庁する前にもう返してきたよ」

『早・・・・』

「別に早かろうが遅かろうがいいじゃねェか。一緒に住んでんだし、事件が起きれば帰るの遅くなるかもしれねーし」

『それもそうね・・・・』

「で？Aはもらったのか？」

『え』

「松田からだよ。あげたんだろ？」

『ま、まあ・・・・ね』

「のわりには、歯切れ悪いな？」

『あげたっていうか、勝手に食べられたっていうか・・・・』

「た、食べられた？」

『その日、帰りに陣平の家に寄ってさ。あげる前に机の上に置いた時に、電話が掛かってきて少し席を外したのよ・・・・・』

班長に説明をしながら、私はその時のことを思い返してみた。

―――――――

電話を終えてリビングに戻ると、松田が机の上に置いていたラッピングペーパーが無造作に置かれていた。松田に視線を移すと何かを食べていた。ってことは・・・・

『た、食べちゃったの！？』

「え？」

『え？じゃないわよ！チョコよ、チョコ！』

「だって腹減ってたし、置いてあったから食っていいモンかなと」

『あ、そう・・・・』

―――――――

『もともと松田にあげるつもりだったけど・・・・・あげたって言われると微妙なんだよね』

「そ、そうだったのか。まあ、アイツらしいっちゃアイツらしいけどな」

『なワケでお返しはそんなに期待してないよ？割りと男性って気にしてないみたいだし、それにあの陣平が、3/14がホワイトデーって知ってるかどうかも怪しいし・・・・・』

と言うと、再び苦笑された。