FILE.367 本庁の刑事恋物語7 ページ42
再びもといた部屋に戻り、江本さんに話を聞くと「だから言ってんじゃねーか！」と痺れを切らし始めた。
「これは俺のダチのしょうもないイタズラで、浩太を連れ出して俺がビビる姿を見たかったんだよ！！現に浩太だって、こうして帰ってきて・・・・」
「でもねぇ、誘拐犯は100万円を要求した上に、警察に通報したら浩太くんを殺すというメッセージを残したのよ？これは明らかに脅迫だし、イタズラじゃ済まないわ！」
『それに誘拐犯の部屋の留守電から聞こえたのは、あなたの声。つまり犯人は、あなたが電話を掛けた3人に絞られている・・・・見過ごすワケにはいかないのよ！』
佐藤さんが浩太くんにその3人の部屋へ行こうと声を掛けた。犯人が変装をしていたとしても、部屋の中の様子を見ればわかるはずだと提案をもちかけるも、「オイ！」と江本さんが声を荒げる。
「もういいって言って―――――」
『あなたがよくても、これは立派な犯罪よ！！浩太くんが帰ってきたからって、これでハイ終わりにできるワケがないでしょうが！！』
私の迫力に押されたのか、江本さんが一瞬怯んだような気がした。
犯罪なんて・・・・決して許されることじゃない。
しかし、江本さんはどうしてもこうも3人を庇おうとするのだろう。まさか、犯人に気付いて・・・・・
その時、「まてよ？」と毛利さんが口を開いた。
「浩太くんが帰ってきたってことは、アンタもう身代金を―――――」
「渡したりしたら、とっくにその刑事さんにバレてるよ！！」
『でも、犯人にとったら何かあったのかも。犯人が送ったモノの中に、高額なモノがあってそれが返ってきたとか・・・・・』
すると「あれれ〜？」とコナンくんが子供っぽい声を上げた。ってか、あれれ〜って・・・・
「彩お姉さんのパソコンのメールにこんな絵が・・・・」
「コラ！コナンくん！！何見てんの！？」
パソコンの画面には、女性の裸体の絵が映し出されている。「コレ、知り合いのイラストレーターがふざけて送ってくるんです」と言いながら、彩さんはキーボードを操作する。
「もうダメでしょ？コナンくん！」
「でもさぁ〜、メールにクリックしてって書いてあったんだもん。開ける前に何が入ってるかわかったら、こんなことしなかったよ」
『開ける前に何が入ってるか・・・わかる・・・？』
コナンくんの発言でハッとした私は、フッと笑みを浮かべた。
なるほど・・・・そういうことか！
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年2月3日 19時
