FILE.366 本庁の刑事恋物語7 ページ41
『仏頂面で私のこと見てくるわりに、合コンなんかに参加しちゃってさ』
「それはAだってそうだろーが。チラチラ見てきてるの俺が気付いてないとでも思ったか？」
『それは・・・・陣平がまさかいるなんて思わなかったからよ！』
「んなのこっちの台詞だ！俺は千葉に無理矢理に・・・・・」
睨みあうとお互いにフッと笑った。
『「ま、どーでもいいけどね・・・・/ま、どーでもいいけどな・・・・」』
すると、目暮警部から電話がきた。その日にやっていた野球関連の番組にはつまらないゲーム見当たらないと伝えていると、突然「ただいまー」と聞こえた。
急いで玄関に向かうと、誘拐された浩太くんの姿があった。誘拐犯の家がどこにあるのかと尋ねるが、絶対に言わないでと約束したからと言われてしまった。
「もう、いいじゃねーか・・・無事に帰ってきたんだし。やっぱり俺のダチの誰かがのイタズラだよ。ちょっと質が悪すぎだけどな」
『そんなイタズラで済むことじゃ―――――』
＜オイ、どうした？何かあったのか？＞
携帯を通話中のままにしていたからか、目暮警部の声がした。
『それが、誘拐された少年がたった今帰ってきまして・・・・』
＜何？まさか100万円を？＞
『いえ、犯人からはまだ何も連絡はありません・・・・・』
松田side
Aが電話をしながら玄関から遠ざかっていく様子を見ていると、ガキが靴を脱いで上がってきた。廊下を歩いていく姿をふと見ると、濡れているのか一歩踏み出すたびに足跡がついていく。
「なァ、どうしたんだ？その靴下濡れてるみてーだけど」
「ああ、コレ？将史兄ちゃんにね、知らない人にモノとかもらっちゃいけないって言われてたのを思い出したの。だから、おじさんとバイバイした後、またカードを返しに行ったんだ。そしたらね、おじさんは家にいなくって、知らないお兄さんがお風呂場に・・・・」
風呂場に知らない男だと・・・・・？まさかそれって・・・・・
俺はアパートを飛び出すと、ある人の家に全速力で向かった。
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年2月3日 19時
