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FILE.364 本庁の刑事恋物語7 ページ39

江本さんの部屋に戻ると、盗聴器などは仕掛けられていなかったと佐藤さんが教えてくれた。そのことを踏まえて、目暮警部に浩太くんが誘拐されたことや誘拐犯の候補者3人について連絡した。


<要求額は100万か・・・・大それたことをしたにしては、少額だな>

『はい。犯人は知り合いのようですし、実際に取れるのはその程度、と考えたのでは・・・・』

<よし、わかった。とにかく、その3人の家に捜査員を張り込ませよう>

『お願いします』



電話を切るのと同時に、彩さんのパソコンを借りて、野球中継の試合内容を調べていた松田が「なァ」と呼んだ。

「当日は中継なかったぜ」

『それホントなの?』


訝しげに見ると「んな嘘ついたって何の得にもなんねーよ」と返された。


『じゃあ、つまらない試合って一体何なのよ。どのゲームかがわかれば、時間から割り出せると思ったのに・・・・』

「知るかよ」



目を細めながらお互いを見つめていると、「ねぇ」とコナンくんが口を挟んできた。

「もしかしたら、裏番組で野球やってかもしれないよ?ホラ、ケーブルテレビや衛星放送とかあるし」

『そ、そうね・・・・』




コナンくんの発言を頼りに松田に調べてもらうと、3つ野球関連の番組が出てきた。


「衛星放送だと、12時から13時に”メジャーリーグナイスゲームセレクション”と、15時から17時には、”ファルコンズ優勝への軌跡”っていう特番が再放送されてるよ。ケーブルテレビだと、18時から19時にジャガーズの清松っていうヤツの特番をやってるな」

「うーん・・・ナイスゲームセレクションがつまらないワケないし、優勝への軌跡も盛り上がって面白いだろうし・・・・となると、清松選手の特番かしら?」

「あ、それお母さんが観たって言ってました。清松選手のデビューしてからのホームランを全部見せてくれて、すごくよかったって言ってました」

『となると、どれも当てはまらないわね・・・・』

「じゃあ残るは・・・・ビデオですかね?野球のビデオを回してたとか・・・・」


高木くんがそう言うと、「それはないと思います」と彩さんが否定した。

「テレビは浩太が自分でリモコンでつけたそうですから・・・・」

「だとしたら、ガキがそうすると見越して関係のないビデオをセットしてたんじゃねェか?時間を誤魔化すためによォ」

『んなワケないでしょ?リモコンは自分で操作してたんだし、チャンネル変えればすぐにバレるわよ』

「だ、だよな・・・・」

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時

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