FILE.363 本庁の刑事恋物語7 ページ38
3人の家に乗り込んでみたものの、結局手掛かりになるようなことはなかった。一度、江本さんの家に戻るために、暗い夜道を歩くいていると、「な?あの3人に怪しいヤツはいないだろ?」と江本さんに言われた。
「確かに、長髪でヒゲ面の男はいなかったけどよォ・・・・」
『それは、浩太くんに顔を見せないための変装にすぎないわ』
「まーだ疑ってんのかよ・・・ったく、3人の部屋のどこにも浩太はいなかったじゃねーか!ひょっとしたら、留守電の声だって俺に似た別人だったのかも・・・・」
その時、江本さんの携帯に彩さんから着信がきた。犯人からの連絡があったのかもしれないと思い、携帯を奪い取るもそうではなかった。
<実は浩太の言っていたことで気になることがありまして・・・>
『気になること?犯人の特徴とかですか?』
すると松田は、話の内容を聞こうとしたのか顔を近付けてきた。流石にこんな場所でスピーカーにするワケにはいかないため、若干ドキドキしつつも彩さんの言葉に耳を傾ける。
<いえ・・・ただ、その人の家でケーキを食べていた時に、テレビで野球をやっていたみたいなんですが、それが・・・・”すごくつまんない試合だった”って・・・・>
「この時期やってるとしたら、プロ野球のオープン戦ぐらいだぜ?」
『とりあえず、あの3人の家に捜査官を張り込ませて、わたし達は当日の野球の試合を調べよう。被疑者を割り出せるかも』
通話を終了させて、携帯を返すと「オ、オイ」と戸惑いの表情を浮かべられた。
「張り込ませるって・・・そこまでやるのかよ!?ひょっとしたら、誰かのイタズラでひょっこり浩太が帰ってくるかもしれねェぜ?」
『何寝ぼけたこと言ってるんですか!?子供が誘拐されてるんですよ!イタズラでは済みません!!』
誘拐だなんて・・・・この間、今回よりもスケールが大きい事件があったばかりだというのに。どうしてこうも事件は起こってしまうのだろう。
「あ、ああ・・・そう・・だよな・・・・・」
私の迫力に押されたのか何なのかわからないが、江本さんは歯切れを悪くしながら答えた。その様子をコナンくんが鋭い瞳で見つめていた。
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時