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FILE.362 本庁の刑事恋物語7 ページ37

続いて、引屋さんの元へと向かった。


『うわあぁ、すごいすごい!私、モデラーに憧れてたから、超カンゲキー・・・』

「えっへへ!そうかい?」


部屋に入るなり、大量のフィギュアが飾られていた。360度女の子のフィギュアで埋め尽くされていて若干引いてしまったものの、何とか話を合わせようとしたら、案外よかったみたいだ。


「君みたいな美形キャラに褒められるなんて、ゴキゲンだなぁ!僕も合コンいけばよかったなぁ〜」

「あ”?」



松田のドスの利いた声に引屋さんは少しびっくりしたものの、「そ、そうだ」と江本さんに向き直った。

「先輩に頼まれて送ったヤイバーカードのイベント限定パック、中身どうでした?」

「ああ・・・7枚ともスカだったよ。そっちは?」

「僕もです。幻のジャガイモクイーンのプラチナカード、出ませんでした・・・・」

「なぁに?イベント限定パックって」

「当日限り、1人2パックだけ買えるヤツでな。入ってる7枚の中に、廃版になった超レアなカードが入ってるかもって噂でよ」

「ネットオークションなら、まず80万円を超えるっていう・・・・」

『「は、80万!?」』



コレクターってそういうものも集めるのかな・・・・って思っていると「カードもフィギュアもいいけどさ・・・」と江本さんが呟く。

「引屋ァ、たまには生身の女の子にもアタックしてみろよ・・・・」

「そ、そうだね・・・例えば君みたいな・・・」


引屋さんに視線を向けられると、隣にいた松田がものすごーい顔で引屋さんを見ていた。


「た、例えばだからね。アハハ・・・・」



引屋さんが引き攣った笑みを浮かべる中、そんな顔するくらいなら、何で合コンなんかに来たのよ・・・・と思っていた。










最後に佐塚さんに会いに行った。紙幣コレクターというだけあって、紙幣が額縁で飾られていたり、ファイルでしっかりと保存されている。その中でも記番号が7で揃っているお札を見せてもらった。


「こういうのが価値があるんですよ」

『へー・・・』

「それにしてもさァ、借金してまでそんな珍品紙幣を集めってから、奥さんにも逃げられちまうんっスよ!」

「いやぁ、この前はすまなかったな・・・・君に借りた3万円、書留で送ったが届いたかね?」

「ええ。それより、食うモノ食ってまたウチのジムに来てくださいよ!ゲッソリしてるんじゃないっスか・・・」

「そ、そうだな・・・・」

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時

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