FILE.360 本庁の刑事恋物語7 ページ35
『それにしても引っ掛かる・・・・犯人がそんな手の込む下準備をしてたのなら、何か確実に金目のモノを盗んでいくはず・・・・』
「確かにな。ガキを誘拐するなら2週間前のそん時でも、出来ただろーし・・・・それに、ソイツは郵便物のことも気にしてたんだろ?その中に重要な書類や手紙は?」
「別に何も思い当たりません・・・・・」
その時「お年玉年賀葉書だ!」と毛利さんが声を上げた。
「確か今年の一等はハワイ旅行だ。金券ショップで売れば、それなりの金になる!多分ソイツは、年賀状を出した人間の名と番号を控えていて・・・・」
「それはねーよ!その3人から来た年賀状はここにあるし、ハズレてるから・・・」
「ハ、ハズレ?それはホントですか?」
「はい。ウチに来た年賀状は全てチェックしましたから・・・・」
「そうそう。姉貴は俺と違って、懸賞やクジに目がねェから」
「何よ!アンタこそいい年してカード集めなんかして・・・・子供みたい!」
カード集め?
江本さんを見ると、照れくさそうにしながらハハハと笑った。
「俺も浩太と同じく、ガキの頃からずっと仮面ヤイバーのカード集めは、年くってもやめられなくてよ」
なるほどね。だから浩太くんがもらったカードがレアモノだとわかったのか・・・・
すると江本さんが、これから3人の家に乗り込んでみようと提案をしてきた。どうやら今日は3人とも家でやることがあるらしく、合コンに来なかったみたいだった。
『そうですね。目星はついてるし、行ってみましょう』
「でも、刑事だとバレたら・・・・」
『あくまでも、合コンの帰りに立ち寄ったフリをするの。ここへ来たことは秘密にしてね。それで、相手が妙な素振りをしたら即確保!もし不在だったら、その人が犯人よ!』
蘭ちゃんにそう返すと、続いて毛利さんを見る。
『恐らく毛利さんは顔バレをしてるから、彩さんと蘭ちゃんとここで待機してください。佐藤さんと高木くんは、いざという時のための3人の警護と犯人からの連絡待って』
「あ、ああ」
「いや、でも僕達も・・・・」
『あのねぇ、そんな大所帯でぞろぞろと行ったら、相手に何か勘づかれるかもしれないでしょ?』
高木くんにそう説明していると、「あの、コナンくんは・・・・」と蘭ちゃんに尋ねられた。
『コナンくんは連れて行くわ。いろいろと気が付くし、相手も油断すると思うしね』
ね?と微笑むと、「そ、そうだね」と引き攣った笑みを浮かべられた。
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時