FILE.359 本庁の刑事恋物語7 ページ34
その後、2人から詳しい話を聞くためにリビングへと移動した。
言いだしっぺはコナンくんで、毛利さんに詳しく話したら犯人がわかっちゃうかもと言っていたけど、ホントは自分が知りたいからなんだろうな・・・・と想像がついた。
「確かありゃー、2週間前の土曜だったよな？」
「ええ。その日、浩太が遊びに出掛けて、戻ってきたのは夜の8時を過ぎてたわ」
「8時？」
「随分遅かったんですね・・・・」
「はい。心配で警察に連絡しようかと思いました。でも、ケロッとした顔で帰ってきて、”ごめんなさい。もうしないからママ達には内緒に”って言うので、あまり叱りもせずに・・・・でも、そんな危険な人と会ってたなんて・・・・・」
「恐らくわざと財布を拾わせて、自分の家にまで連れて行った。その時、たまたま掛かってきたのが、今夜姉貴も交えて合コンをやろうという俺のメッセージだった」
「なるほど・・・それなら誘拐犯は、将史さんの友人に間違いないようだ」
「その時、この家の家具の配置やらをガキから聞き出しておいて、アンタらがいない今夜を狙って侵入したんだな」
『ちなみに、この家に金庫とかは？』
「そんなモノはありません。カードや通帳などは持ち歩いてますし、盗られて困るようなモノは何も・・・・」
「つまり、犯人はこの家に入ったものの、金目のモノが見つからないので浩太くんを誘拐したってところか・・・・」
これで誘拐するまでの何となくの足取りが掴めたわね。
「それで、あなたが声を掛けた友人達の中、今夜来られなかった人ってわかる？」
「ああ、3人いるよ」
佐藤さんに尋ねられた江本さんは、3人のことを教えてくれた。
1人目は、六田卓児さん。ミュージシャンで、江本さんの子供の頃からの友達。
2人目は、引屋門成さん。モデラーで、江本さんの高校時代の後輩。
3人目は、佐塚良兼さん。紙幣コレクターで、江本さんが働くスポーツジムの常連客。
「3人とも悪い人間じゃない。誘拐なんて・・・・」
『その3人に電話した時間は、覚えてますか？』
「確か、六田が昼過ぎで、引屋が夕方、佐塚さんは夜7時ごろだったかな？」
「3人とも、浩太くんが出掛けていた昼前から夜8時の間だな・・・・」
それがホントなら、誰にでも犯行が可能だ。誘拐犯はこの中にいると思うんだけど・・・・
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年2月3日 19時
