FILE.355 本庁の刑事恋物語7 ページ30
『じ・・・陣平・・・・・ど、どうしてここに・・・・?』
「そ、そっちこそ・・・な、何でここに・・・・?」
いつの間にかいなくなっていた酔っぱらいの宮本さんの姿を見つけて声を掛けた瞬間、松田の姿を捉えた。
な、何で・・・・いるの・・?
「た、高木くんも千葉くんもどうして・・・・?」
「さ、佐藤さんこそ・・・・」
びっくりはしたものの、すぐに頭の中が切り替わった。
間違いない。松田も合コンに参加するために来たんだな。あの松田が、何で参加しようとしたのかはわからないけど、そっちがその気なら、隠す必要もなくなったわね。
『「・・・・・・・ふーん」』
松田をジッと見つめるのと同時に、あっちも同じように見つめてきたのだった。
「・・・・・というワケで、向かってきた犯人をすかさず!」
佐藤さんは、犯人役の千葉くんに関節技を決めてテーブルに押し倒す。周りで見ている男性陣は、「おおっ!」と声を上げて盛り上がっていた。
そんな様子を隣のテーブルで見てた蘭ちゃんが「流石佐藤刑事、男性陣を独占ね」と漏らした。
何でこうなったのかイマイチよくわからないけど、成り行きで毛利さん一家も合コンに加わることになった。ま、話し相手が出来たから私としてはいいんだけど。佐藤さんはのあの通りだし、宮本さんは潰れちゃったし。
それは100歩譲ってイイとして・・・・・問題はあの男。
斜め前の席でドリンクを飲んでいる松田を盗み見る。
なーんで、ここにいるのかが不思議なのよねぇ。合コンなんて参加しなさそうなのに。かくいう私も合コンは、あまり参加してこなかったけどさ。
ジーッと松田を見つめていると、目がバチッとあってしまった。松田は何も言わず、仏頂面で見つめ返してくる。
何でこっち見てくるのよ・・・・
「ねぇ、黒羽刑事・・・」
『・・・・え?』
ふと隣に座っていたコナンくんに声を掛けられた。コナンくんが「耳、耳」と言うから、身を少しかがめる。
「黒羽刑事も合コンしに来たの?」
『来たくて来たワケじゃないよ・・・・騙されたっていうか・・・・・』
「ふーん」
コナンくんは意味深な笑みを浮かべると、「そっか、そっか」と声を通常の大きさに戻した。不思議に思いつつも、姿勢を戻して次はコナンくんを盗み見る。
こう聞いてくるってことは、何か知ってるんだろうけど・・・・・聞けるワケないよねぇ・・・
FILE.356 本庁の刑事恋物語7→←FILE.354 本庁の刑事恋物語7
1804人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時