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FILE.352 ページ27

松田side


「食事ィ?」


一服を終えて喫煙室から出たタイミングで、高木と遭遇した。そして突然、食事に行かないかと誘ってきた。


「はい。今週末って空いてます?」

「空いてるには空いてるけど・・・・」


別にAやアイツらと予定もねェ・・・・が。


「急にどうした」

「た、たまにはどうかな〜って・・・」

高木はアハハ・・・と笑いながら、視線を泳がせる。ぜってー何か隠してるだろ、コイツ。


「じ、実は、安くて美味い店があるらしくて・・・・」

「”らしい”?」

「あ」


高木の顔をがだんだん青ざめていく。「何か隠してるだろ」と問い詰めた時、「何やってんだよ、高木ィ」と千葉がやって来た。


「早速バレてどうすんだよ?」

「千葉ァ・・・」

「テメェの差し金か」

「ま、まあ・・・」

「どうりで可笑しいと思ったぜ。で、一体何を隠してるんだ?」

「えっと・・・松田さんに合コンに参加してもらいたくて・・・・」

「・・・・はあ?」


今、何つった?合コン?



「パス」

「って言うと思ったんで、隠してたんですよ・・・」

「そりゃ言うだろ」


警察学校時代に合コンしたことはあるけど・・・今はAがいる。


「どうせ数合わせだろ?」

「はい・・・あと一人足りなくて・・・」

「つか、高木ィ。俺にそう聞いてくるってことは、オメェも参加するってことだろ?佐藤がいるのに」

「あ、いや・・・僕も数合わせで・・・」

「ふーん」


まあ、コイツのことだから断るに断り切れなかったんだろうな。


「でも、俺は行かねーよ。他当たりな」

「そこを何とか・・・!」

「ヤダよ」

「お願いします!」

「僕からもお願いします!」


すると、コイツらは頭を下げてきた。


「オ、オイ!」


廊下だから行き交うヤツらに、不思議そうに見られる。俺は、はあ・・・と溜息をついて「わあったよ」と返事をした。

「行きゃーいいんだろ?」

「ホントですか!?」

「ただ、今回だけだからな」

「はい!ありがとうございます!」


コイツらの圧に押されたっていうのもあるが、何より場所が場所だから、早々に話を切り上げたかった。


「僕の中学時代の友達が企画して、場所は・・・・」と千葉が詳細を語り始めたが、俺はふとAを思い浮かべていた。


Aに言ったらきっと、『は?』って突き刺すような視線を向けてくるよな・・・・・

ま、バレなきゃいいだろ、そう思っていた。





当日、訪れたカフェに入るまでは。

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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時

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