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松田side
「食事ィ?」
一服を終えて喫煙室から出たタイミングで、高木と遭遇した。そして突然、食事に行かないかと誘ってきた。
「はい。今週末って空いてます?」
「空いてるには空いてるけど・・・・」
別にAやアイツらと予定もねェ・・・・が。
「急にどうした」
「た、たまにはどうかな〜って・・・」
高木はアハハ・・・と笑いながら、視線を泳がせる。ぜってー何か隠してるだろ、コイツ。
「じ、実は、安くて美味い店があるらしくて・・・・」
「”らしい”?」
「あ」
高木の顔をがだんだん青ざめていく。「何か隠してるだろ」と問い詰めた時、「何やってんだよ、高木ィ」と千葉がやって来た。
「早速バレてどうすんだよ?」
「千葉ァ・・・」
「テメェの差し金か」
「ま、まあ・・・」
「どうりで可笑しいと思ったぜ。で、一体何を隠してるんだ?」
「えっと・・・松田さんに合コンに参加してもらいたくて・・・・」
「・・・・はあ?」
今、何つった?合コン?
「パス」
「って言うと思ったんで、隠してたんですよ・・・」
「そりゃ言うだろ」
警察学校時代に合コンしたことはあるけど・・・今はAがいる。
「どうせ数合わせだろ?」
「はい・・・あと一人足りなくて・・・」
「つか、高木ィ。俺にそう聞いてくるってことは、オメェも参加するってことだろ?佐藤がいるのに」
「あ、いや・・・僕も数合わせで・・・」
「ふーん」
まあ、コイツのことだから断るに断り切れなかったんだろうな。
「でも、俺は行かねーよ。他当たりな」
「そこを何とか・・・!」
「ヤダよ」
「お願いします!」
「僕からもお願いします!」
すると、コイツらは頭を下げてきた。
「オ、オイ!」
廊下だから行き交うヤツらに、不思議そうに見られる。俺は、はあ・・・と溜息をついて「わあったよ」と返事をした。
「行きゃーいいんだろ?」
「ホントですか!?」
「ただ、今回だけだからな」
「はい!ありがとうございます!」
コイツらの圧に押されたっていうのもあるが、何より場所が場所だから、早々に話を切り上げたかった。
「僕の中学時代の友達が企画して、場所は・・・・」と千葉が詳細を語り始めたが、俺はふとAを思い浮かべていた。
Aに言ったらきっと、『は?』って突き刺すような視線を向けてくるよな・・・・・
ま、バレなきゃいいだろ、そう思っていた。
当日、訪れたカフェに入るまでは。
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時