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FILE.346 黒鉄の魚影 ページ21

「オイ!どこに向かってんだよ!!」

『海へと繋がる出入り口よ!直美さんを拉致した時に使われたところ!』


そして、防犯カメラ映像に映っていた丁字路を左に曲がる。


『ヤツは組織の一員。バッグドアがまだ閉じられてないとしたら・・・・』

「仲間がバッグドアを利用し、ヤツをここから逃亡させるってワケだな!」

『そういうこと!』

「でも、よくわかったな?」

『映像に映ってたピンガのピアスが逆になってたのよ。左耳に付けているはずが右耳になってた。だから、映像を反転したんじゃないかってね』

「なるほどな!」



だんだんと薄暗くなっていく通路を走っていくと、ピンガとコナンくんが扉のところでもみあっているが見えた。


『あ、いた!!』


ピンガに首元を掴まれているコナンくんは、ピンガが持っていた携帯を取ろうと手を伸ばすが、それに気付いたピンガに膝蹴りを入れられ、通路へ吹っ飛んできた。それと同時に扉が閉まり、ピンガは扉の奥へと消えていく。


「ボウズ!!」

『大丈夫!?』


コナンくんに駆け寄って膝をつくと、コナンくんは立ち上がった。何度も蹴られたのか、顔に少し傷が付いている。


『アイツ、ほっんとに・・・・』

「大丈夫だよ。それより、早くしないと逃げられちまう!」

『そうね』



立ち上がって松田とともに扉の前に立った。


「オイ、開けろ!!」

『開けなさい!!』



扉を叩いたり、扉の横にある端末のボタンを押すが扉は開かない。


「A、前見たいに蹴りでぶっ壊すなんてことは・・・・」

『出来るワケないでしょ!?普通の取っ手があるドアならまだしも、こんな硬くて横に開く自動ドアなんて無理よ!』

「だ、だよな」



その時、<退避命令が発令されました。直ちに一般社員の方々は退避してください>とアナウンスが流れた。



『一体何が・・・・・』

「とりあえずメインルームに戻ろうぜ。何が起こったかわかるはずだ」

『そ、そうだね・・・』

「っていうか、アイツいつの間にいねェ」

『ホントだ』



いつの間にかいなくなっていたコナンくんも気になるが、やはり目の前で逃げられたことに悔しくなりながら、一度メインルームに戻ることにした。

FILE.347 黒鉄の魚影→←FILE.345 黒鉄の魚影



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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時

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