FILE.345 黒鉄の魚影 ページ20
『はあああぁぁッ!!!』
「またお前か!」
拳を振るうも側転でかわされる。踊り場に着地すると、すぐに立ち上がり追いかける。その時、持っていたカツラを投げつけられ、走りながらよけた。
『はっ!?』
その瞬間、隠し持っていたナイフを投げつけられた。ギリギリでよけると、ピンガは身をかがめ蹴りを繰り出してきた。咄嗟に腕で防ぐも蹴りの勢いが強く、身体が後ろに吹き飛び、身体は手すりを越えてしまった。
『うわあああぁぁ!!』
高いところから落下してしまい、空中で体勢を立て直せない。このままじゃ叩きつけられる・・・・!!
と思ったのも束の間、叩きつけられるような感覚はなく、誰かに抱き止められたような感覚がした。恐る恐る目を開き視線を上に向ける。
「大丈夫か・・・・!?」
『じ、陣平・・・・』
抱き止めたのはどうやら松田だった。浅い呼吸を繰り返しながら私を見下ろしている。
「ったく・・・・油断すんなって言ったろーが」
『ゴメン・・・・』
「ま、間一髪助けられてよかったけどよォ」
松田はゆっくりと床に下ろしながら、そう口にした。
「ホント危なっかしいぜ」
『でも、助けてくれてありがと』
「オ、オウ・・・」
感謝を伝えていると「どこに行くつもりなんだ!」と牧野さんの声がして、振り返った。
牧野さんは、自分のデスクでパシフィック・ブイ内の監視カメラ映像を確認している。次々に映像が映し出される中で、ピンガが映っている映像があった。ピンガが丁字路を右に曲がると防犯カメラ映像に映らなくなった。
「右に曲がったぞ!」
『いや、違う・・・・あれは・・・・・』
モニターを注視していると、コナンくんが突然スケートボードに乗ってメインルームを飛び出した。
『わたし達も行くよ!!』
「い、行くってどこに!?」
『いいから早く!』
松田の手を引きながら、わたし達はメインルームを飛び出した。
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時