捜査一課の黒羽さん 8【名探偵コナン】 (ページ12)

今日:820 hit、昨日:1,185 hit、合計:87,482 hit

FILE.337　黒鉄の魚影ページ12

全員が英文メールを注視していると、グレースさんが「レオンハルトを見つけました！カフェにいます！」と叫んだ。

モニターにはカフェ内の監視カメラ映像が映し出された。レオンハルトさんは、右手に紙コップを持った状態で立ち止まり、何かを摘まんだ左手の指先をじっと見ると、摘まんだものを口に入れ、紙コップに入ったものを飲むと、紙コップの縁を左手の親指で拭って歩き出した。

「・・・何か」

「様子が・・・変だぞ！」

グレースさんとエドさんが異変に気付いた直後、突然苦しそうに口を押さえ、身をよじりだした。そのままふらつきながら進み、テーブルに倒れ込む。そして、身体がずるりとテーブルから滑り落ち床に倒れたが、テーブルの陰に隠れていて姿が見えない。

「レオンハルト！違うカメラを！早く！！」

牧野さんが叫ぶと、別の映像に切り替わった。テーブルの下でうつ伏せに倒れたレオンハルトさんが映っている。持っていた飲み物が床にぶちまけられて、茶色いシミが広がっていた。

わたし達はすぐにカフェに赴き、レオンハルトさんの脈を調べたがすでになく、カフェには規制線が張られた。

遺体の背中には倒れた椅子の背もたれが載っていて、右手の傍には紙コップが落ちて、横に向いた顔や床に茶色い液体が盛大にぶちまけられている。

『口の周りがただれてる・・・・毒物かな？』

「じゃあこの匂いって？」

松田は口元の匂いを嗅いだのか「コーヒーの匂いだな」と答えた。「それもするけど、ほんの微かにシンナーみたいな匂いがしない？」とコナンくんが言った途端、毛利さんがコナンくんの後ろ襟を掴んで引っ張り上げた。

「まーた、いつもいつも現場を惑わせるようなことばっかり言って！どう見ても服毒ジサツだろうが！！」

『まぁまぁ・・・・』

「でも変じゃない？レオンハルトさんは自分のお部屋があるんでしょ？何でカフェで死んじゃったのかなぁ」

「そんなの決まってんだろ。最後に美味いコーヒーが飲みたかったんだよ！」

「んなことくらい部屋でも出来るだろ」

ボソッと呟く松田にハハハ・・・と苦笑して、改めて遺体に目を向ける。

ジサツだとしても、倒れた時に落としたコーヒーがここまで顔にかかるものなの・・・・・？

不審に思いながら遺体を見つめていると、黒田管理官が白鳥くんに「遺体はヘリで運び、解剖を依頼する」と声を掛けていた。