FILE.336 黒鉄の魚影 ページ11
コナンくんと毛利さんを連れて、わたし達は再びパシフィック・ブイにやって来た。そして、メインルームにいる黒田管理官と白鳥くんの元へと向かった。
「確認してもらいたいことがある。灯台の防犯カメラを調べてみたんだが、潜水艦は映っていなかった」
モニターには昨夜の海の映像が再生されているが、潜水艦もコナンくんの姿も映っていなかった。
「え・・・・夜だからってワケじゃないよね?」
『警察の高解像度カメラよ』
「このシステムに繋げているカメラって、警察が管理しているものだけだったよね?」
コナンくんはコンソールの上に八丈島の地図が表示された携帯を置いた。地図にはホテルから南原千畳岩海岸までの経路が表示されている。
「犯人が逃げたルートだよ。この道にある警察のカメラを調べて!」
「昨夜の11時頃だ」
松田の言葉に牧野さんは少し考えてから頷くと、レオンハルトさんに指示をした。レオンハルトさんは少ししてからその道にある防犯カメラ映像をモニターに映し出した。
「ここのカメラです」
『・・・・変ですね。犯人の車が映ってない』
「それにあのジイさんの車もない。どうなってんだ?」
防犯カメラ映像には車が一台も映っていなかった。
「なァ・・・これって書き換えられてるよな?」
『うん。間違いない、改ざんされているわ』
「ってことはやっぱり・・・・・」
『・・・・かもしれないね』
改ざんしておくことが出来る用意周到な手口・・・・もしかしたら、この中に実行犯または共犯者がいる可能性が高い。気を引き締めておかないといけないな。
その後、休憩を挟んでからエンジニアに防犯カメラ映像の改ざんしたログがないか探してもらっていると、突然エドさんが「えっ?」と声を漏らした。
「ちょっと皆、これ見てよ!」
エドさんはモニターに英文メール画面が表示した。英文を翻訳していると、「何て書いてあるんだ?」と松田が尋ねてきた。
「訳すの面倒くさいんだけど・・・・」
面倒くさいで片付けるなよ・・・と思いつつ『いい?』と尋ねる。
『”直美さんを拉致した犯人を手引きするため、システムにバッグドアを仕掛けた。拉致した実行犯については金で雇われたから不明”って書いてあるわよ』
「なるほどな・・・・」
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作者名:セカイ | 作成日時:2024年2月3日 19時