FILE.47 絶海の探偵 ページ49
松田side
「あれ？じゃあ笹浦さんは何で殺されたんでしたっけ？」
「そう。殺される理由なんてない。言い換えれば、彼を殺したのは”X”ではない！」
「何だって？」と目暮が驚き、綾小路は「では誰が・・？」と尋ねた。
「思い出してください。笹浦さんは今朝、舞鶴港の崖にいました」
「ええ。Xに旗を振って、このイージス艦の進路変更を伝えたんですよね」
「そう。そしてその後海に転落して死亡した」
おっさんの発言に艦長が頷く。
「それでこの艦の注排水装置が左腕を吸い込んでしまった」
「つまり、笹浦さんは今日このイージス艦に乗ってなかったんですよ」
ん？どういうことだ？
笹浦の携帯はイージス艦の中にあったはずだが・・・・
「しかし、彼の携帯はイージス艦の中に・・・・」
「そうですよ！ボクが甲板で見つけたんじゃないですか」
「その前に私が・・・・」
この三人の発言でわかった。おっさんが何を言いたいのかが。
「なるほどな。アンタはその携帯が笹浦が乗っていたように偽装するために、犯人が置いたって言いたいんだろ？」
「そうです。考えてみてください、藤井さん。笹浦さんの携帯を見つけた時間と場所を」
「・・・・言われてみれば出港してからかなり経っていたし、あんなわかりやすい場所に落ちていたのにひとりとして気づかなかった・・・・」
「そう。なぜならそれは、出港後に無理矢理作られた偽りの証拠だから。つまり犯人は、途中からイージス艦に乗り込んだ人物・・・・そうですね？
倉田さん！」
一斉に倉田に視線を向けた。倉田はとまどいの表情を浮かべている。
「わ、私はこの事件で初めて笹浦さんを知ったんですよ！」
「そうだ、毛利くん。彼に笹浦さんを殺す動機なんて―――」
「ええ。殺すつもりなんてなかったんでしょう。コナン、竹川さんの携帯に残されていた笹浦さんの留守電を聞かせてくれ」
ボウズは艦長席の背後から出てきて、パソコンにある留守電を再生した。
＜イージス艦のデータは”KRYクラウド”に保存した・・・・＞
カモメや波の音に加え、カチャカチャと金属音がする。やっぱり、そうか。この音・・・・
「何か金属音が聞こえません？」
「確かに・・・・どこかで聞いた音のような・・・」
「この音は腰につけた特殊警棒と拳銃がぶつかり合った時になる音だよな、倉田さんよォ」
倉田が思わず後ずさると、腰の警棒と拳銃が揺れて音を立てた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1487人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うっきー - いつも楽しく拝見させていただいてます！！もしよろしければ警察学校編が見てみたいです🙇🏻♀️ (5月8日 12時) (
レス) id: 42247d2ac2 (このIDを非表示/違反報告)
セカイ(プロフ) - 朽木 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅れてすみません。FILE.21の水銀レバーについて原作を読み返してみたのですが、コナンくんが水銀レバーが作動してしまうと言った後に、二種類の液体爆弾について説明をしていたので、原作通りの台詞にしてみました。 (1月12日 22時) (レス) id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
朽木 桜(プロフ) - ファイル21の水銀レバーの回のところを読んでいるのですがコナンくんの水銀レバーの説明が違います。二種類の液体爆弾は花ハロのもので水銀レバーではないです。水銀レバーコナンで調べると説明が出てきますよ！！ (2023年5月4日 22時) (レス) @page23 id: e22cbff476 (このIDを非表示/違反報告)
セカイ(プロフ) - 氷花さん» 返信遅れてすみません。コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2023年5月1日 23時) (レス) @page50 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
氷花(プロフ) - 続きがとても気になります。更新頑張ってください。 (2022年7月1日 22時) (レス) id: 724789ecd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セカイ | 作成日時：2022年6月16日 23時
