【レトルト】女装男子系実況者【男主】 (ページ21)

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「上がったよー」

「んー」

リビングのソファで寝転がるAにそう声をかければ
携帯を弄っていたAはむくりと起き上がる。
そのままのろのろと風呂場へと歩いていくのを目で見送り、俺は空いたソファにぼふりと座った。
………何しよう。
とりあえず携帯を見る。するとLINEの通知が目に入った。

「…キヨくん…」

キヨくんからの鬼のようなLINEを流し読みする(大半がスタンプだった)。

『レトさん！』
『レトさんレトさん！』
『女神サマん家どう？』
『うらやましー！』
『俺も泊まりたかったなー』
『れーとーさーんー』
『レトさんってばー』
『無視ー？』
『あ』
『既読』
『ついた！』
『レトさん！』
『構えー！』

『ごめんキヨくんお風呂入ってた』

『女神サマん家の』
『風呂か！』
『どう？』

『どうって何さ』

『察せよ』

『お下品な話はちょっと…』

『ケチ』
『レトさんのケチ』

『てかキヨくん明日早いんじゃないの？』
『寝なくて平気？』

『飲み会なう』

『おい』

どうりでテンションが高い訳だ。がっつり酒入ってるやんこれ…
というか、飲み会で携帯ばっか弄ってていいのか…キヨくん…
しばらくキヨくんに付き合っていれば、洗面所の方から物音が。
あ、A…出たのかな。

「やーおまたせー」

ぺたぺたと素足がフローリングの床に触れる音と共に声がかけられる。
顔を上げてそちらの方を見れば、肩からタオルをかけたお風呂上がりのAの姿が見えた。
…あー、こう見ると男の子に見える…スッピンだからやろうか。

「俺の顔じろじろ見んなし」

隣に座ったAが顔をしかめる。
あんま見られたくないのか？でもなんで俺に見せてくれるんだろ…

「なあA」

「ん？」

隣でダラダラとくつろぐAに声をかける。

「…なんでいきなりこんな積極的になったん」

「気になる？気になる？」

俺がそう言った途端いきなり目を輝かせ、
ぐい、と距離をつめてきた。ち、ちかい…！
ソファの端まで追いつめられ、挙げ句の果てにはAが覆い被さってくる。

「あ、ちょ、な…」

「ふふ、何恥ずかしがってんだよ」

いやいやいや！そうは言ってもこんなに顔が近かったら恥ずかしいに決まってるやろ…！
ぐいぐいと胸を押すけれど、離れてはくれない。く、こいつ見た目の割に力強い…！