君色に染めて。 【arin♀,ymcn♀,ybhk♀】

車の中で (arin) ページ16

〜慧side〜




17時過ぎ。


周りに他の生徒や先生がいない事を確認して

大ちゃんの車に乗る。


私が乗って、シートベルトを締めたと同時に

大ちゃんは車を走らせた。





大「…で、俺の何を話したの？」

慧「んんっと…大ちゃんから私に告白してきたとか、付き合ってまだ1年とか…色々〜」

大「まだ1年かー」

慧「ね〜、意外と短いね」





1年はまだ短い方だけど

大ちゃんには色々してもらってお世話になってるから

何か返せてらなぁ…。



学校から出て、10分後

私たちの家の前に着いた。



大ちゃんは車を停めると

ふぅ…と、小さく息を吐いた。





慧「大ちゃん？」





声をかけた時




ｽｯ…




足に何かが触れた。



大ちゃんの、手。





慧「え…っ」

大「…慧、俺にお世話になってるから、何かお返ししなきゃ…とか考えてたでしょ」

慧「な、何で…」

大「まだ1年だけど、慧の事は何でも分かるよ。
慧は、俺の傍にいてくれるだけで、それで良いから」

慧「大ちゃん…」

大「…大貴って、呼んで…？」





私の足に触れていた大ちゃんの手は

私の頬に添えられた。





慧「だい、き…っ」





呼びなれないから

ちょっと、恥ずかしい…





大「ふふっ…可愛すぎ」





大ちゃんの…大貴の顔が近付いてきて




ちゅっ…




短いキスをした。



小さなリップ音が、車内に響く。





大「意外と響くな…」

慧「恥ずかしい…っ」

大「…恥ずかしい？」





大貴の言葉に、小さく頷けば





大「これからもっと、恥ずかしい事するよ…？」





耳元で囁くように、そう言われた。





慧「だっ、大貴のへんたい…！」





車の中だと、小さい声も響くんだって…！





大「車の中で言うから、良いんでしょ？」





……今日の大貴は

いつもより積極的だ…っ。

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