誰かの笑顔の為に。【狼ゲーム】【短編集】 (ページ30)

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一緒に【米森サトル】メルシィ様ﾘｸｴｽﾄページ30

『き、緊張する…。』

人生で、一番と言っても過言ではないほど私は緊張していた。

『一旦落ち着こう…。』

心を落ち着かせるために、少し前の話を思い出す。

…それは、狼ゲームが始まって間もない頃のはなし。

身に覚えもないのに、知らない人が
たくさんいる場所に突如放り込まれて、極度の人見知りの私は人が出入り
するなかキッチンに隠っていた。

「あ、あの…。」

『は、はい!?』

キッチンにいた私に話しかけてくれた
人は、数人いた。

でも、なんだか声の主はその中の誰よりも優しい声をしていた。

「紅茶、よかったら飲みませんか?」

びっくりした。
こんな私にも、お茶のお誘いが来る
なんて。

『是非お願いします…!!』

「受け取ってくれてありがとう。
Aさん。」

不器用に笑ってくれて、その上名前まで呼ばれて。

そんな人に、私は一瞬で恋に落ちた。

「それじゃあ、私はこれで。」

『お、お名前を教えてください!!』

最初の自己紹介なんて、頭が真っ白で
何も聞いていなかった。

名前が知りたい、ただそれだけ。

「自己紹介でいったはずですけど…
米森サトルです。」

『サトルさん…。ありがとうございます!!またお話しましょう!!』

そう、私は告白しにいく。
出会って間もない人に。

色んな部屋を探して、植物室でやっとサトルさんを見つけた。

『サトルさん…!!』

「…!!Aさんですか。どうしたんですか?」

必死に後ろを庇うサトルさん。

『あの…ちょっとお時間ありますか…?』

静かに頷いたのを確認する。

『わ、私サトルさんのことが好きです!!』

驚くサトルさん。

『出会って間もないのにおかしいですよね…。ごめんなさい。』

少しの沈黙が続く。

「いや…Aさんの気持ちはとても
嬉しいよ。私だってAさんに
惹かれているさ。」

『え…じゃ、じゃあ…!!』

「…けど、これを見ても私を好きで
いられるかい?」

庇っていたサトルさんの背後には、
ミホさんがすやすやと寝ていた。

『どういうことですか!!』

意味がわからなかった。
ミホさんが寝ているだけなのに。

「…私は、“狼”さ。」

「これからミホさんを、真っ赤に染める。それでもいいかい?」

怖い。けれど、私が想っている相手。
断れるはずがなかった。

『分かりました。一緒に地獄に堕ちましょう＿＿』

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リクエストありがとうございました!!

堕ちるの使い方はあってるのでしょうか…←